テープではなく「仕組み」を売ってシェア7割 ニチバンの「野菜を束ねるテープ」が選ばれ続ける理由(2/4 ページ)
野菜には付かないのに、テープ同士は強く付く――。国内シェア約7割を誇るニチバンの「たばねらテープ」は、どのようにして生まれ、なぜ定着したのか。発売から約50年続くロングセラーの裏側に迫る。
シェア7割を支えた、機械・テープ・メンテナンスの一体提供
現在ではシェア7割を誇るたばねらテープだが、発売当初から順調だったわけではない。発売後2〜3年は苦戦が続いた。農家を一軒一軒訪問し、市場や産地に足を運び、使い方やメリットを説明して回った。大口の農家やJA、産地をまとめるキーマンに価値を伝え、理解を得ることで、その地域で一気にシェアを広げていった。
平山氏は普及が進んだ要因について、「新しい市場を早い段階で開拓し、テープだけでなく結束機も含めた仕組みとして提案できたことが大きいです」と分析する。
実際、ニチバンが提供してきたのはテープ単体ではない。大規模農家や出荷場向けには電動タイプの結束機も展開してきた。野菜を機械に通すだけで、テープで巻いて切断するまでの工程が約1秒で完了する。かつて、手作業で藁やひもを巻いていた工程を大幅に効率化した。
スーパーのバックヤードなどでは卓上型の簡易結束機が活躍している。小規模農家向けには、座ったまま作業できるタイプや、「こたつに入ったまま使える」という発想から生まれた機種も展開している。
シーンに合わせた商品展開に加え、機械の耐久性も高い。すでに販売終了した古い機種が、いまも現役で使われていることもあるという。メーカーとしては更新需要が生まれにくい面もあるが、使い手にとっては長く使える設備だ。機械で作業効率を上げ、消耗品であるテープを継続的に使う。このビジネスモデルも、現場への定着を支えてきた。結果、結束機の累計出荷台数は過去10年間で約6万台に上った。
メンテナンス対応も導入を後押しする要因の一つだ。後発メーカーの中にはテープだけを供給する企業もある。しかし、機械とテープのメーカーが別々になると、トラブルが発生した際に窓口が分かれてしまう。
「何か不具合があったときに、ニチバンに相談できる。そうした安心感も選ばれる理由の一つになっているのでは」と平山氏は話す。こうした体制もあり、現場での認知度は高いという。他社製の野菜結束テープも含めて「たばねらテープ」と呼ばれることがあるほど、代表的な存在として定着しているという。
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