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テープではなく「仕組み」を売ってシェア7割 ニチバンの「野菜を束ねるテープ」が選ばれ続ける理由(4/4 ページ)

野菜には付かないのに、テープ同士は強く付く――。国内シェア約7割を誇るニチバンの「たばねらテープ」は、どのようにして生まれ、なぜ定着したのか。発売から約50年続くロングセラーの裏側に迫る。

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弁当容器の「あのテープ」もニチバン製

 ニチバンが展開する食品関連のBtoB向けテープは、たばねらテープだけではない。弁当や惣菜容器のふたを止めるテープも同社製品だ。


テープの使用イメージ(画像:ニチバン提供)

 2003年に発売したのが「セロテープ イージーオープン」である。それまで弁当容器のふた止めにはラップや輪ゴム、透明テープなどが使われていた。ラップはしっかり固定できるが手間がかかり、輪ゴムは見た目や固定力に課題がある。透明テープは貼ってあることに気づきにくく、お客が気付かずに開けて弁当を落としてしまうこともあったという。

 同社が開発したイージーオープンは、両端に粘着剤を付けず、中央部分だけに粘着剤を付けた構造になっている。両端は指ではがしやすく、中央部分は接着剤で容器のふたをしっかり固定できる。一般的なセロテープの幅は1.5センチだが、イージーオープンは1.8センチ幅で展開。両端の非粘着部分を確保しつつ、ふたを固定する粘着面積を確保している。

 従来、弁当用テープにはプラスチックフィルムが使われることも多かったが、テープカッターで切りにくいなど作業性に課題があった。ニチバンは、セロテープで培ってきたノウハウを生かし、食品包装向けの商品を展開した。


イージーオープンは、テープの中央部分のみ粘着剤を付け、両端をはがしやすくしている(画像:ニチバン提供)

 イージーオープンは機能性が高い一方で、コスト面から導入が広がりにくい面もあった。そこで、2017年に「セロテープ フードパックテープ」を発売。全面粘着の実用的な設計にしながらも、セロハン素材によって手で切ることができるため、作業効率の向上につながった。実用性の高さから採用が進み、2025年度の販売数量は、2018年度と比較して4倍以上に伸長。惣菜向けテープではトップシェアだという(ニチバン調べ)。

 たばねらテープも弁当のふたを止めるテープも、一般消費者がメーカー名を意識することは少ないが、青果や惣菜の流通に欠かせない存在になっている。

 実際、松村氏は「BtoB製品として業界内での認知に日頃から手応えを感じています」と話す。スーパーや流通の現場では、ニチバンといえばすぐに「あのテープ」と理解されることも多いという。

 国内青果物市場で約7割のシェアを持つ商品だからこそ、安定供給への重みも大きい。「時代の変化に適応しながら、現場に届け続ける努力を続けていきます」と平山氏は締めくくった。

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