「木の枝が届くサブスク」で70万本出荷 花屋にない需要を掘り起こし、約4年で黒字化(4/4 ページ)
「木の枝が届く」サブスクサービスが累計70万本を出荷し、約4年で黒字化を実現した。花器購入者の声を起点に新市場を切り開き、自社栽培や森林組合との連携まで進めた成長戦略を探る。
ECだけでは届かない体験を届けるカフェを展開
ECだけでは伝わりにくい、枝ものがある暮らしの心地よさを体感してもらうため、TRINUSは東京・日本橋でカフェ「SiKiTO CAFE」を運営している。実際に取材で訪れると、高い吹き抜けが印象的な店内の至る所に枝ものが飾られていた。オフィス街の中心で心落ち着く空間が演出されていた。
佐藤氏は出店の狙いを「SiKiTO枝もの定期便はECで完結するビジネスであるため、サービスを検討している方が実物に触れられる機会がありません。ブランドのコンセプトを体感してもらう場所を作りたいと思い、飲食業の経験がある友人と一緒に始めました」と説明する。
来店客は接客の中で、サブスクサービスのコンセプトについて説明を受ける。枝ものがある空間の心地よさを体験して、実際に定期便に申し込むケースもあるという。店舗がブランド認知拡大や顧客接点の入口として機能しているようだ。
枝もの定期便というニッチな市場を切り開いた同社だが、新たに市場に参入してくる企業も出てきている。切り花などを扱う花屋が枝ものにも手を広げたり、定期便を始めたりしているのだ。
そうした中で、他社とどのように差別化しているのか。
「枝ものに特化していることと、自社栽培にも取り組んでいる点が大きな違いです。供給からECでの販売までを一気通貫で手掛けている点が強みになっています」
市場での仕入れに加え、自社栽培や地方自治体、森林組合との連携にも取り組む。こうした供給網の構築は、一般的なEC事業者ではなかなか踏み込みにくい領域かもしれない。
同社は、以前手がけていた事業を整理し、SiKiTO枝もの定期便に経営資源を集中。2025年には黒字化も実現した。サービス開始から4年で、調達から販売までを担う体制を整えてきた。佐藤氏は、次の一手をすでに見据えている。
「海外展開も視野に入れています。ターゲットは花を飾る習慣が根付いている国です。米国のニューヨークやロサンゼルス、欧州のドイツ、英国、フランスなどを視野に入れています。植物の輸出には検疫という壁があり、すぐに実現するのは難しいですが、先んじて花器などの物販を進めていきます」
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