「木の枝が届くサブスク」で70万本出荷 花屋にない需要を掘り起こし、約4年で黒字化(3/4 ページ)
「木の枝が届く」サブスクサービスが累計70万本を出荷し、約4年で黒字化を実現した。花器購入者の声を起点に新市場を切り開き、自社栽培や森林組合との連携まで進めた成長戦略を探る。
市場仕入れ、自社栽培、山採り 安定供給を支える三本の柱
サービス開始から4年、これまで累計70万本の枝を出荷してきた。利用者は都心部に暮らす40〜50代の女性が中心だというが、どういったニーズがあるのか。
「自然に触れる機会が少ない方が、自宅で自然を感じたいと考えて利用されています。時間や空間にゆとりがあり、インテリアにこだわりのある方が多い印象です」
こうした需要に応え続けるためには、安定した供給体制の構築が欠かせない。TRINUSではメインとなる「市場仕入れ」のほか、「自社栽培」「山採り」(山に自生している自然木を掘り起こすこと)といった方法にも取り組み、調達先を拡充している。
自社栽培は、2024年7月から長野県豊丘村で始めた取り組みだ。長野県が主催する「チャレンジナガノ」というオープンイノベーションの仕組みを通じて、耕作放棄地の活用に課題を抱えていた同村とマッチングしたのがきっかけだ。
「自治体との連携協定を締結し、地域おこし協力隊のスキームを活用して、専任スタッフを現地に派遣しています。まずは荒れ地を開墾するところから始めて、1年かけて整えました。さまざまな枝ものを植え始めたところです」
山採りについては、奈良県黒滝村の森林組合と連携している。JAグループがスタートアップの成長支援や新規事業創出を目的に実施する「アクセラレータープログラム」への参加を通じて、森林組合との接点ができたことがきっかけとなった。
「林業の閑散期に当たる夏場に、比較的余力のある林業従事者の方々に協力していただいています。山に自生するアセビなどを採取してもらい、それを仕入れています。農業や林業の従事者の高齢化が進んでいるので、このままでは枝ものの供給もどんどん減っていく。長期的にビジネスを続けていくためにも、安定した供給体制をつくる必要性を感じています」
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