「国内では戦わない」 沖縄のそろばん教室が海外に商機を見いだしたワケ(4/4 ページ)
電卓やAIが普及する今、なぜ「そろばん」が再評価されているのか。開校から数年で生徒数200人に成長した沖縄の「むらそろばん」は、英国や豪州、ニュージーランドにも進出。世界市場を見据えた独自戦略を追った。
世界展開を加速させる取り組み
むらそろばんの取り組みは、単なる教室の拡大にとどまらない。グローバル展開を見据え、さまざまな取り組みを行っている。
その一つが、独自のそろばん検定「SMAT(Soroban Mental Ability Test)」の創設だ。日本の既存の検定制度は海外やオンラインでの受験に対応していない。新たな検定制度を、TOEICやTOEFLのような世界基準の能力テストとして普及させることを目指している。
また「そろばんで世界を一つに」をテーマにした世界大会「S-1 CUP」をオンラインで主催している。2025年8月に開催した第1回大会には、日本、シンガポール、英国、オーストラリア、米国の5カ国から127人の子どもたちが参加した。
単に計算能力を競い合うだけでなく、「日本では給食を自分たちで配膳し、掃除も自分たちでする」「英国ではお昼ご飯のメニューを自分で選べる」といった各国の学校文化を紹介し合うなど、国際的な文化交流の場となるよう工夫した。
マレーシア、インドへ 世界1000万人を目指す壮大な展望
英国、豪州、ニュージーランドでの展開は、彼らにとってあくまで通過点にすぎない。現在、むらそろばんは次なる進出先として、マレーシアでの現地法人立ち上げに向けたリサーチを進めている。また、ゆくゆくはそろばんの市場規模が2兆円とも言われ、国を挙げて計算教育に力を入れているインドや、子どもが多いフィリピンなどへの進出も視野に入れている。
家業から企業へ、そして沖縄から世界へ。「むらそろばん」が描くグローバル展開は、まだ始まったばかりだ。
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