インタビュー
ため息、舌打ち、強いタイピング音は、なぜ嫌われるのか? 職場で広がる「音ハラ」の根っこ(2/4 ページ)
ため息や舌打ち、強いタイピング音――。かつては見過ごされてきた職場の音が、いま「音ハラ」として問題視されている。なぜ今になって不快な音がハラスメントと捉えられるようになったのか。その背景を探った。
増えたのは「音」ではなく「声」
職場の音自体が変わったわけではない。変わったのは、それを受け止める社会の側だ。「不快なことがそのままハラスメントだと認識され、声を上げてもよいという認識が社会に広まった」と村嵜氏は指摘する。
ハラスメントに厳しい今の時代は、10年前や20年前に比べて声を上げやすく、周囲の理解も得やすい。かつては「細かい人だ」と思われることを恐れ、我慢していた不快感が、いま「声」に変わりつつある。
働き方の変化も大きい。在宅勤務が広まった時期、多くの人は無音で集中したり、好きな音楽をかけたりと、音をコントロールできる環境で仕事ができた。その後、出社回帰が進み、周囲に人がいて話し声やタイピング音が絶えないオフィスは、静かな環境に慣れた人にとっては落ち着かない。
村嵜氏のもとには、職場のざわめきが気になり、仕事に集中できず、フルリモートの会社へ転職したいという相談も寄せられるという。
また、働き方の多様化は、新たな音の問題も生み出した。その一つがオンライン会議の音漏れだ。本人の声だけでなく相手の発言までスピーカーから漏れ、2人分の会話が周囲に聞こえるため、「うるさい」「気が散る」といった声も多い。
オフィスが静かであるほど、わずかな音も際立ってしまう。働く場所と働き方の変化は、音に対する新たなストレスも生み出している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
やっぱり、すぐ辞める新人は世の中をナメているのか 「倍速退社」の背景にある企業の病
4月の入社後、すぐに退職代行サービスを利用して会社を辞める若者がいる。「そんな人は、ロクな大人にならない」と言いたくもなるだろうが、原因は若者だけにあるわけではなく……。
IT人材は東京のどこに住んでいる? 首都圏の“知られざるテックエリア”を地図で見る
首都圏に集中するIT人材の居住傾向を可視化。中野や下北沢、五反田など、意外な“隠れたテックエリア”の分布や、若手エンジニアが選ぶ街の特徴をデータで読み解く。
「辞めたけど良い会社」 ランキング ワースト30社の特徴は?
辞めたけれど良い会社は、どのような特徴があるのか。IT業界で働いた経験がある人に聞いた。
