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社員を抱えきれない時代に 早期退職だけが答えではない、「シニア副業」という一手(2/3 ページ)

定年まで社員を抱えきれない時代、早期退職だけが選択肢ではない。シニアの副業を後押しすれば、人材流動化や社外での活躍につながる可能性もある。企業が見直すべき制度設計と支援策を考える。

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シニア側が副業を「不安視」するケースも少なくない

 若手の副業について、筆者は必ずしも推進派ではない。若手には本業でやるべきことが山ほどある。目の前の業務に集中して力をつける時期に、外に目を向ける必要はない。

 しかし、シニアは話が別だ。役職定年を迎えた後、あるいは役職に就けないことがほぼ確実になった年齢の社員に対しては、副業を積極的に解禁すべきだと考えている。

 理由は明快だ。彼らにはもう、その会社で上を目指す道が用意されていない。65歳、70歳以降に働ける場所を会社が用意し続けるのは難しい。であれば、外で「他流試合」を積ませ、社外でも通用する実力をつけさせたり、自分の市場価値を確認させたりすることは意味があるだろう。

 一方、副業を解禁している企業でシニアが積極的に副業をしているかというと、そうとは限らない。むしろ、踏み出せないシニアの方が多いだろう。理由は大きく3つある。

 第1に、評価への不安だ。シニアは長年の経験から、会社の評価体系を熟知しており、「副業をすれば評価で不利になるのではないか」と考える。さらに踏み込んで言えば、会社が用意した副業プログラムへの応募が「早期退職の布石ではないか」と疑うシニアも少なくない。応募した瞬間にマークされ、早期退職者候補としてリストアップされるのではないか――そうした疑念から、手を挙げないシニアも少なくない。

 実際、企業がシニアを対象とした副業研修や副業プログラムを任意で用意しても、100人の対象者に対して応募者が5人といったことが起きる。「これはトラップではないか」と勘繰られているのだ。

 第2に、自信のなさだ。「自分のスキルは社外で通用するのか」と不安を覚えているシニアは少なくない。ある飲料メーカーで長年営業畑を歩んできた人が「自分の経験が外で何の役に立つのか想像できない」と話していた。実際には役に立つ場所はメーカーに限らずいくらでもあるのだが、それを本人自身がイメージできないと一歩を踏み出すことはなかなか難しい。

 第3に、単純に時間がないことも挙げられる。大企業の社員は想像以上に忙しい。シニアでも、役職者であれば残業が当たり前という職場も珍しくなく、副業をする時間的な余裕がない。

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