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同じ「目薬No.1シェア」でもここまで違う ロート製薬と参天製薬の異なる”稼ぎ方”(1/2 ページ)

ともに「目薬シェアNo.1」を掲げるロート製薬と参天製薬ですが、戦う市場は異なります。多角化で売り上げを拡大するロート製薬と、医療用眼科薬に特化し高収益を誇る参天製薬。事業構造から両社の違いをひも解きます。

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 ロート製薬と参天製薬は、どちらも「目薬」で高い知名度を誇る企業です。両社はいずれも、公式Webサイトで「目薬シェアNo.1」を掲げており、一見すると矛盾しているように思えます。しかし、両社が戦っている市場は異なるため、実はどちらも正しいのです。

 本記事では、一般用医薬品(OTC)を強みとするロート製薬と、医療用眼科薬で国内トップシェアを誇る参天製薬を「業績」「事業構造」の観点から比較し、それぞれの強みや今後の成長戦略を探ります。

ロート製薬:目薬の技術を応用し、「総合ヘルスケア企業」へ進化

 ロート製薬の主戦場は、ドラッグストアや薬局で購入できる一般用医薬品(OTC)などの「消費者向け市場」です。胃腸薬の「パンシロン」からスタートし、「Vロート」などの点眼薬、「メンソレータム」をはじめとする塗り薬やリップクリームなどで確固たる地位を築いてきました。


ロート製薬の直近5期の業績(画像:決算資料を基に筆者作成)

 直近5期の業績を見ると、売上高が2000億円弱から3400億円超へと右肩上がりで大きく成長しています。実はこの成長をけん引しているのは「スキンケア領域」です。

 ロート製薬は、目薬のドライアイ治療や保湿機能に用いられてきた「ヒアルロン酸」などの成分研究をスキンケアに応用し、「肌ラボ」「メラノCC」といったブランドを育成してきました。現在では、スキンケア関連が同社の売り上げの約6割を占めています。


ロート製薬、コア事業の多くのカテゴリーでシェア上位を獲得(画像:ロート製薬「2025年10月 経営戦略説明会」PDFより)

 さらに近年は、東南アジア最大級の漢方メーカー(EYS)の買収による内服・食品事業の強化や、アジア市場での販売拡大など、「目薬メーカー」の枠を超えた、総合ヘルスケア企業へと進化を遂げています。

 販管費や研究開発費の増加に伴い、2025年3月期は営業利益がやや減少したものの、2026年3月期には売上高、営業利益、純利益ともに過去最高を更新しています。


アジア市場での成長を狙って、漢方メーカーを買収(画像:ロート製薬「2024年3月期 決算説明会」PDFより)

参天製薬:「眼科医療」に特化し収益性を追求

 参天製薬は眼科領域に経営資源を集中する「スペシャリティファーマ」(新薬を開発・販売をする製薬企業)であり、その専門性の高さを生かして、2024年3月期には初めて売上高3000億円を突破しました。


参天製薬の直近5期の業績。※参天製薬は、国際会計基準IFRSを適用しているため決算上は「売上収益」ですが、本記事では比較のため、本文中では「売上高」と表記しています(画像:決算資料を基に筆者作成)

 国内では医療用眼科薬市場でトップシェアを誇り、長年培ってきた研究開発力と医療機関との信頼関係が競争力となっています。近年は主力製品の特許切れや長期収載品の選定療養化(後発品との差額を患者が負担する制度)といった逆風を受けているものの、世界で初めて実用化された(同社調べ)、皮膚に塗るタイプの抗アレルギー治療薬「アレジオン眼瞼クリーム」などの新製品が売り上げに貢献しています。

 海外においても、EMEA(欧州・中東・アフリカ)やアジアへグローバル展開を推し進めており、欧州で緑内障・高眼圧症向けの点眼薬「カチオランゼ」を販売するなど高収益製品へのシフトを進めています。

 2023年3月期には、買収した米国企業に関する将来の収益見通しを見直したことで一時的な減損損失(約300億円)を計上しましたが、本業の販売自体は堅調に推移。その結果、2025年3月期、2026年3月期には営業利益、最終利益とも過去最高を更新。営業利益率は16%を超えるなど、利益重視の経営が成果につながっています。

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