レクサスが求めた「街の石材店」 「捨てる石」がブランドになった逆転の発想:アセットの「再定義」(1/4 ページ)
墓じまいの広がりなどで墓石市場が縮む中、稲垣石材店は石の器ブランド「INASE」を新たな柱に育てている。器づくりで培った加工技術は、レクサスの作品にも用いられた。
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「墓じまい」という言葉が定着し、樹木葬や散骨など供養の形が多様化する中で、墓石市場は縮小が続いている。日本有数の墓石・石製品の産地として知られる愛知県岡崎市でも、最盛期に350軒ほどあった石材店は、いまでは70〜80軒ほどに減ったという。そんな業界で、まもなく創業100年を迎えるのが、稲垣石材店(愛知県岡崎市)だ。
同社の主力事業は現在も墓石だが、2016年に家業を継いだ4代目の稲垣遼太氏が新たな柱として、石の器ブランド「INASE(いなせ)」を育てている。完全オーダーメイドで、購入希望者へのヒアリングを通じて、色味や材質などを踏まえて石を選定。職人が希望のサイズや形に応じて一つ一つ製作する。
石ならではの重厚感や質感を生かした器は、高級レストランやミシュランの星付き店から支持を集め、国内外で高い評価を得ている。加えて、器づくりや従来の墓石・石像づくりで培った加工技術は飲食業界の枠を超えて注目を集め、「ミラノデザインウィーク2026」(毎年イタリア・ミラノで開催される世界最大級のデザインイベント)では、レクサスの作品「SPACE」の床材に使う石の加工も同社が手掛けた。
縮小する市場の中で、街の石材店はどのように新しい事業を育ててきたのか。稲垣氏に話を聞いた。
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