2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

死亡率4割のヒラメが1匹も死なず 温泉の微生物で「化粧品メーカー」が畜産・水産市場を切り開くまで(1/4 ページ)

死亡率4割だった養殖ヒラメが4カ月間1匹も死なず、インドでは子牛の下痢発症率が0%に――。別府温泉で見つかった微生物を武器に、化粧品メーカーから畜産・水産、医療へと事業を広げたSARABiO温泉微生物研究所の成長戦略を追う。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

ダイハツ、旭化成、NOT A HOTELなど登壇:
無料セミナー「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏」開催!

photo

ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。

AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。


  • 開催日:7月8日(水)〜8月5日(水)
  • 形式:オンラインセミナー
  • 参加費:無料

 例年、4割が育つ途中で死んでいた養殖ヒラメが1匹も死ななかった。エサを食べても育たないウナギの「ヒネ仔」が成長し始めた。インドで実施した試験では、子牛の下痢発症率が0%になった。

 一見すると共通点のないこれらの成果を生み出したのは、大分県別府市の温泉で見つかった1つの微生物だ。

 この微生物を発見したのが「SARABiO(サラビオ)温泉微生物研究所」。もともとは、「温泉には、なぜ効能があるのか」を科学的に解き明かそうと研究を始めた企業だった。研究成果はまず化粧品として事業化され、その後、畜産・水産、さらには医療へと応用範囲を広げている。

 別府の温泉で見つかった微生物は、なぜ魚や牛、さらには人の健康にも応用できるようになったのか。同社会長の濱田茂氏にその歩みを取材した。


SARABiO温泉微生物研究所の会長・濱田茂氏(画像:筆者撮影)

「美肌の湯」とは言うが、科学的な裏付けはなかった

 「美肌の湯」「療養の湯」として知られる別府温泉。その効能は古くから語り継がれてきたが、長らく言い伝えの域を出ず、科学的な裏付けは十分ではなかった。

 SARABiO温泉微生物研究所は、2009年に温泉の湯や泥に生息する微生物の研究を開始。2011年には新種の藻類微生物「RG92」を発見し、高い抗炎症作用を持つことを確認した。2015年には特許を取得し、その後も細胞試験、動物試験、ヒト試験を重ね、2020年には研究成果がオランダの薬学専門誌に査読付き論文として掲載された。


別府温泉から見つかった藻類微生物「RG92」(画像:SARABiO温泉微生物研究所提供)

 「細胞、動物、人間。この3つで同じ傾向のデータが出るケースは本当に少ない。それだけ信頼性が高いということです」と、濱田氏は説明する。

 同社は、このRG92を活用したヘアケア・スキンケア製品を開発し、化粧品事業を展開するが、この展開は美容分野だけにとどまらなかった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る