人生最大の買い物なのに……なぜSNSで中古マンションを買う人が増えているのか(2/5 ページ)
SNSで物件を見つけ、LINEで内見を予約し、中古マンションを購入する人が増えている。背景には、インフルエンサーではなく「キュレーター」が信頼を築く独自の仕組みがあった。SNS時代の新しい不動産ビジネスを追った。
「顕在客」しか取れなかった不動産業
ファンズ不動産が支持を集める理由の一つが、顧客との接点の作り方だ。キュレーターが日ごろから不動産に関する情報を発信して、物件の紹介にとどまらず、家の買い方や地域ごとの坪単価、購入時の注意点など、家探しに役立つ情報も発信している。
フォロワーは発信に触れるうちに知識を蓄え、「そろそろ家を」と考えたタイミングでファンズ不動産に問い合わせる。家を買おうと思ったときに真っ先に思い出してもらえる点が、同社の強みといえる。
ポータルサイトや店舗で顧客を待つ従来のスタイルでは、自ら探し始めた顕在層しか取り込めないが、SNSを使えば、まだ購入意欲が固まっていない潜在層にも日常的にアプローチできる。「従来の不動産業は、ニーズが顕在化しないと顧客と接点を持てなかった」(藤田氏)
事業が伸びる背景には、都心マンションの価格高騰もある。新築価格の上昇で購入ハードルが上がり、中古マンションを選ぶ人が増えた。
同社のサービス利用者は30代が55.7%を占め、20代(26.6%)と合わせて80%を超え、大企業の会社員や士業、共働きの「パワーカップル」が目立つという。家族構成で見ると、DINKs(共働きで子どものいない夫婦)などの2人世帯(33.3%)が最も多く、単身世帯(29.9%)が続く。
平均販売価格は約7300万円、平均築年数は28年で、藤田氏は「終の住みかとして購入する人は少なく、家族構成の変化に合わせて売却・住み替える『半分は投資、半分は住まい』という発想で選ぶ人が目立つ」と語る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「チラシを配っても、家なんて売れないでしょ」 それでも、オープンハウスが“路上営業”を続ける理由
「チラシ配りは非効率では?」と見られがちなオープンハウスの路上営業。しかし実際には成約の3割を生み、ネット未掲載物件との出会いもある。DX化も進む現場の実像と、その合理性に迫る。
サザエさんの家の価値は? 昭和と令和の“間取り”が示す時代の変化
昭和と令和の「間取り」に、どのような違いがあるのか。「サザエさんの家」と「3階建ての家」を比べてみると……。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。
IT人材は東京のどこに住んでいる? 首都圏の“知られざるテックエリア”を地図で見る
首都圏に集中するIT人材の居住傾向を可視化。中野や下北沢、五反田など、意外な“隠れたテックエリア”の分布や、若手エンジニアが選ぶ街の特徴をデータで読み解く。
