「どれが一番いい?」とAIに聞くのは“二流経営者” 楠木建教授が暴くAI時代の「意思決定」の真実(3/3 ページ)
AIは経営者の仕事をどこまで代替できるのか。競争戦略論を専門とする一橋大学の楠木建特任教授と、AIを経営管理に活用する味の素が、AI時代に人が担うべき役割を語った。
AI時代に求められるのは「スキル」ではなく「センス」
AIによって定型業務が外部化されれば、人間の側に起こることは、以下の3つの方向性だと楠木教授は話す。
(1)「早く帰りましょう」(週休3日制、1日6時間労働などワークライフバランス志向)
(2)「あなたはクビです」(米国で加速する人件費削減)
(3)「空いた時間で意味のあることをしましょう」
楠木教授は(3)が日本企業にとって今後重要になってくると指摘する。だからこそ企業は、社員一人一人が、何が好きで何が嫌いなのかを理解し、それぞれが力を発揮できる仕事へつなげていくことが重要になるという。
「AIがこれだけ使えるようになるということは、スキルのデフレとセンスのインフレが同時に進行しているということです」
知識や定型的なスキルは、AIによって誰でも活用しやすくなる。一方で「何を目指すのか」「どちらを選ぶのか」「何に意味を感じるのか」といった、人それぞれの価値観や判断力は、これまで以上に重要になる。
AIの進化によって人間の役割が小さくなるのではなく、むしろ、人にしかできない意思決定や価値判断が、これまで以上に問われる時代に入りつつある。
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