なぜ日産の株主総会で“異例の事態”が起きたのか いま社外取締役と企業に求められる「ガバナンス意識」とは?(1/4 ページ)
日産の株主総会で、社外取締役を選任する議案が否決されるという“異例の事態”が起きた。背景には、何があるのか。
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著者プロフィール・大関暁夫(おおぜきあけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役。横浜銀行勤務時代、全銀協へ出向した際はいわゆるMOF担として、現メガバンクトップなどと行動を共にして政官界との調整役を務めた。06年に支店長職をひと区切りに退社、現在は金融機関、上場企業、ベンチャー企業のアドバイザリーとともに情報通企業アナリストとして活動している。
経営再建の渦中にある日産自動車の株主総会で、社外取締役の選任議案が否決されるという事態が起きました。否決の憂き目に遭ったのは、永井素夫氏。元みずほ信託銀行副社長という肩書の持ち主です。
日産自動車の発表によれば、永井氏の賛成投票率は48.3%だったとのこと。前年の91.5%から大幅な減少となり、否決に至ったのでした。日本を代表するような大企業で、会社側が候補とした社外取締役の選任が否決されるのは、異例の事態であると言えます。
異例の事態が起きたワケ
今回、永井氏の選任が問題視された理由はいくつかあるようです。
一つは、永井氏が日産のメインバンクであるみずほフィナンシャルグループ(FG)出身であり、同じみずほFG出身の真保順一氏(元みずほ総合研究所副社長)が、同時に新任取締役候補となっていること。メインバンクである金融機関グループから同時に2人の社外取締役を選任するのは、みずほグループとの距離感から考えて好ましくないのではないかという観点です。議決権の15%を持つ大株主のルノーがこの点を問題視し、2人の選任案を棄権するとの表明がありました。
また米国の議決権行使助言会社も、独立性を疑問視する立場からその選任に反対を推奨したことで、永井氏の選任案は否決に至ったと考えられます。なお真保氏は、可決こそされたものの賛成投票率は73.7%と、永井氏に次ぐ低い賛成率となっていました。
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