「午後6時から葬儀、午後7時に火葬」 新サービス「夕刻葬」は“火葬待ち”を解決できるか:スピン経済の歩き方(6/7 ページ)
火葬待ちの解消や会食文化の復活に期待が集まる「夕刻葬」。業界関係者への取材から明らかとなった、その可能性とは――。
「埋葬トラブル」に発展するケースも
また、直葬をした後に、弔問客や親戚が次々と訪れ何日にもわたって対応に追われ、「こんなことなら、きちんと葬儀をすればよかった」と悔やむケースや埋葬を巡るトラブルに発展するケースもある。
「檀家としてお墓を持つ菩提寺に埋葬する場合、通常は寺院の僧侶がお経をあげ、戒名を授けます。しかし、直葬ではそうした手続きを経ないケースが多いため、納骨の際に寺院との間で問題が生じることがあります。中には、菩提寺への相談がないまま、葬儀社が同宗派の僧侶を手配して戒名を授かるケースもあります。寺院との関係を考えると、同業者として疑問を感じる事例もありました」(帝都典礼・市村取締役)
このような「直葬トラブル」が増えているのは、「葬儀とは誰のものなのか」「なぜ亡くなった人を弔うのか」という本質的な意味が十分に理解されないまま、「安さ」「手軽さ」というコスパだけが注目を集めてしまい、葬儀を選ぶ人が増えていることが一因だ。
そして、実はこの「葬儀の表面的な部分にしか注目が集まらない」という傾向が、近年多発する「葬儀サービスの料金トラブル」にも拍車をかけている。
葬儀社側からすれば、あくまで自社が請け負うのは葬儀まわりの仕事に対する報酬だけで、火葬場や葬祭ホール、僧侶に払うお布施は別という認識だが、利用者側はそもそも「お葬式」に対する知識もないので、葬儀社に払ったお金で全てが賄えると思い込んでいる。そういう基本的な認識のギャップが、「ぼったくられたのではないか」という不信感につながり、トラブルに発展することも少なくない。
このような事態を避けるためにはどうすべきか。帝都典礼の市村取締役は「相見積もり(複数社から見積もりを取ること)」で比較することを勧める。
「ただ、そこでWebサイトや広告に掲載されている価格だけで判断してはいけません。掲載されている金額は各社で含まれている内容が異なる場合がありますので、合計金額だけでは比較しにくいこともあります。大変な状況の中ではありますが、しっかりとした見積書を出してもらって項目を比べてください」(帝都典礼・市村取締役)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「中国人観光客が原因」は誤解だった? 京都を苦しめる“観光集中”の正体
日中関係に溝ができ、中国人観光客が減少した今、かつて中国人観光客のせいで大混雑だといわれていた人気観光地はどうなっているのか。実際の状況を見てみると……。
富士そば「外国人観光客お断り」は悪なのか 立ち食いそば騒動が問いかけた現実
庶民の味方である立ち食いそばに、外国人観光客が押し寄せる現象が起きている。外国人観光客お断りを示す店舗もあるが、「そば」が本当の意味でも世界に愛される日本食になるためにできることとは。
焼肉店はなぜ急に苦しくなった? ロピアの急成長で見えてきた「新たな競合」
焼肉店の倒産件数が、統計開始以来2年連続で過去最多を更新した。大手チェーンの「焼肉きんぐ」がひとり勝ちになっているかと思いきや、焼肉店キラーといえるのは……。
なぜ「性善説」は機能しないのか セルフレジ、リモートワーク、消費減税の共通点
セルフレジやリモートワーク、法人税など、人間の二面性を前提としたシステムはなぜ機能しなくなるのか。本質的な原因は……。
