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「トヨタ式」が食品小売りを救う? セブン、マクドナルドが挑む「需要を先につかむ」店舗経営「3つの『やめる』」で小売りは変わる(2/4 ページ)

製造業の生産管理法として知られる「トヨタ式ジャストインタイム」。この考え方が今、食品小売業でも重要性を増している。セブン‐イレブンやマクドナルドの取り組みをもとに「予測して作る」から「需要に合わせて作る」への転換を考える。

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マクドナルドが「注文が入っても、すぐには作らない」理由

 一方、事前注文が入れば、店は受け取り時刻から逆算して商品を準備しなければならない。早く作りすぎれば品質が落ち、遅ければ客を待たせる。この課題にどう向き合っているのか。その一つの答えが、米マクドナルドの「Ready on Arrival」だ。

 Ready on Arrivalは、モバイルオーダーをした客の到着を見越し、店舗に着く前に商品の組み立てを始める仕組みだ。早く作りすぎて品質を落とすことなく、到着後の待ち時間を短くすることを狙っている。同社はこの仕組みを主要6市場に展開しており、2025年の年次報告書では、アプリ利用客への商品提供が早まり、待ち時間を短縮していると説明している。

 この取り組みが成り立つのは、事前に見えている需要が、すでに相当の規模に達しているからでもある。同社の2025年通期実績では、ロイヤルティプログラムを導入する70市場での会員向け年間売り上げが前年比20%増の約370億ドル、90日以内に利用した会員数は19%増の約2億1000万人に達した。つまり、通期の全店売上高1390億ドルに対し、およそ4分の1が「誰が買ったのか」が分かる状態ともいえる。会員の全員が事前注文をするわけではないが、来店前に需要をつかめる相手が、この規模で存在しているということだ。

 ここで注目したいのは「事前に注文を受けること」と「事前に商品を完成させること」を分けている点だ。

 注文が入った時点ですぐに作ればよいわけではない。客の到着を見越し、品質を保てるタイミングで準備を始める。必要なのは単なる作り置きではなく、注文から受け渡しまでを一つの時間軸として管理する仕組みなのである。

 もっとも、この考え方がどこまで行きわたっているかは市場によって差がある。日本マクドナルドの公式案内では、モバイルオーダーで注文した商品は店舗に到着して「受け取りに進む」ボタンを押すと用意される、と説明されている。少なくとも案内上、調理が動き出す起点は「到着」に置かれている。注文を先に受けることと、供給を先に動かすことはイコールではない。

 需要が事前に分かるほど、店には時間を細かく設計する力が求められる。

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