「トヨタ式」が食品小売りを救う? セブン、マクドナルドが挑む「需要を先につかむ」店舗経営:「3つの『やめる』」で小売りは変わる(3/4 ページ)
製造業の生産管理法として知られる「トヨタ式ジャストインタイム」。この考え方が今、食品小売業でも重要性を増している。セブン‐イレブンやマクドナルドの取り組みをもとに「予測して作る」から「需要に合わせて作る」への転換を考える。
客に「事前注文」してもらうための4つの条件
店がモバイルオーダーを用意しても、客が使ってくれるとは限らない。アプリを開き、商品を選び、受け取り店舗と時刻を決め、代金を支払う。客にとって、事前注文には一定の手間がかかる。その場にある商品から選ぶほうが簡単な場合も多い。
それでも客が先に注文しようと思うには、少なくとも4つの条件が必要になる。
1つ目は、商品を想像できることだ。いつものコーヒーや定番の揚げ物なら、客は味や量を知っている。一方、日替わりの総菜や、その日のおすすめ商品は、名前だけでは選びにくい。写真や動画、材料、量などを伝え、受け取る商品を具体的に思い描けるようにする必要がある。
2つ目は、注文した商品を確実に受け取れることだ。重要なのは、店頭の全商品を常に切らさないことではない。注文を受け付けた商品について、約束した数量と時刻を守ることだ。
3つ目は、新鮮なまま受け取れることだ。長時間置かれた商品を渡されるのでは、先に頼む意味がない。客が期待しているのは単なる確保ではなく、待たずにできたての商品を受け取ることだからだ。
4つ目は、事前に注文するメリットがあることだ。店で待たずに受け取れる。家族の人数分を確保できる。売り切れる前に押さえられる。自分の予定に合わせて受け取り時刻を選べる。こうした便益が、アプリを操作する手間を上回らなければ、客は動かない。
「想像できる」「確実に受け取れる」「新鮮である」「先に頼むメリットがある」。この4つがそろって、初めて需要は来店より前に現れる。
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