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「無印良品」はなぜ、圧倒的な成長を果たせたのか 「ブランド」を利益に変える戦略の裏側(2/4 ページ)

良品計画は、この10年で大きな成長を果たした。どんな戦略が、この成長を支えたのか。

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「コロナ禍明け」に一時業績が落ち込んでいた

 良品計画の成長は、一直線ではありませんでした。

 上のグラフを見ると、売上高はほぼ一貫して増加しています。一方、営業利益は2018年2月期の453億円をピークに低下し、2022年8月期は328億円、2023年8月期も331億円にとどまりました。

 2021年8月期から2023年8月期までの2年間で、売上高は4523億円から5814億円へ約1290億円増えましたが、営業利益は424億円から331億円へ減少しています。原材料価格や物流費の上昇、円安、出店費用、値下げ、販管費の増加などが重なり、同様の成長曲線を描かなかった時期も経験しています。

 転機は2024年8月期です。売上高は前年比13.8%増の6617億円でしたが、営業利益は69.4%増の561億円へ急回復しました。2025年8月期も売上高が18.6%増えたのに対し、営業利益は31.5%増の738億円となっています。

 2023年8月期から2025年8月期までの2年間で、売上高は約2030億円、営業利益は407億円増えました。出店や売上拡大だけではなく、売り上げを粗利と営業利益へ転換する力が戻ったことが、現在の好業績を支えています。

「原価高」でも粗利率を戻せたワケ

 2023年8月期に46.7%まで落ち込んだ売上総利益率は、2024年8月期に50.8%、2025年8月期には51.4%まで回復しました。

 これは商品価格の見直しだけで実現した数字ではありません。良品計画は、素材の調達、生産、輸送、在庫配置、値下げまでを一体で見直してきました。原材料の調達地と生産地を近付ける取り組み、生産計画の集約、物流の効率化、値下げの抑制、商品構成の改善などが、粗利率の回復につながっています。

 この事業設計は、無印良品が創業以来掲げてきた「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」とも通じています。

 無印良品が示してきたのは、強い嗜好性で「これが良い」と選ばせるのではなく、合理的で納得感があり「これで良い」と思える商品を提供する姿勢です。ただ安くするのではなく、余計な工程や装飾を省きながら、品質への不満を残さないことを目指してきました。

 この思想がイメージだけで終わらず、調達、生産、包装、物流、価格設定まで落とし込まれているからこそ、原価や物流費が上昇する環境でも粗利率を戻せたと考えられます。

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