「無印良品」はなぜ、圧倒的な成長を果たせたのか 「ブランド」を利益に変える戦略の裏側(3/4 ページ)
良品計画は、この10年で大きな成長を果たした。どんな戦略が、この成長を支えたのか。
異なるジャンルをまとめて販売するのが強み
2025年8月期の商品別売上構成は、生活雑貨が約47%、衣服・雑貨が約36%、食品が約13%です。
この構成の特徴は、購入頻度や単価、季節性が異なる商品が一つの売場に並んでいることです。家具や収納用品は購入頻度が低い一方、客単価を押し上げます。スキンケアや日用品は買い替え需要があり、継続購買を期待できます。衣服は売上規模を作りやすい反面、天候や季節性、値下げリスクの影響を受けます。食品は比較的低単価ですが、カレーや菓子、冷凍食品など、短い周期で購入される商品を多く含みます。
購入周期も単価も異なる商品群を、同じブランド、同じ売場、同じアプリやECで展開することで、顧客との接点を広げていることが見てとれます。家具だけを購入する顧客を待つのではなく、食品や日用品、衣服を通じて日常的な接点をつくり、店舗全体の売り上げと粗利を組み立てているのです。
今や海外が国内事業を上回る成長エンジンに
この10年間では国内よりも海外展開が成長の大きな推進力になっています。
ただし、重要なのは店舗数だけではありません。2026年8月期第3四半期累計の東アジア事業は、営業収益2128億円、営業利益454億円、営業利益率21.3%でした。国内事業を上回る高い収益性を実現しています。
多くの日本の小売企業が海外で店舗を増やしても、現地の需要を捉えられず、利益を残せないケースが珍しくありません。良品計画は、無印良品らしい商品や売場の基準を維持しながら、地域ごとに商品、販促、店舗運営を調整しています。
中国大陸では現地MDや店舗改装を強化し、台湾、香港、韓国でも、それぞれの生活習慣やニーズに合わせて重点カテゴリーを変えています。食品についても、現地の文化や味覚、規制に合わせた商品開発を行っています。
全てを現地仕様に変えれば、ブランドとしての統一感が薄れます。一方、日本の商品や売場をそのまま持ち込めば、現地の暮らしにはなじみません。標準化する部分と現地に合わせる部分を切り分けてきたことが、海外店舗数の拡大と高い利益率の両立につながっています。
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