2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

なぜ、カラオケの第一興商が「介護現場のインフラ」に? 10年間の不遇を乗り越え“高収益・安定ビジネス”へ化けたワケアセットの再定義(3/3 ページ)

第一興商のカラオケはなぜ介護現場のインフラとなったのか。10年に及ぶ社内の反発や収益モデルの課題を乗り越え、現場のレク負担解消と機能訓練の価値を提示。行政予算も巻き込み高収益事業へと化けた裏側に迫る。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

行政予算を引き込むエコシステム

 デイサービス事業者の約半数が赤字といわれる厳しい介護業界の中で、第一興商は「自治体・行政施設」への展開にも注力している。

 厚生労働省では「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に基づき、高齢者のフレイル(虚弱)予防や孤立防止を目的とした「通いの場」の全国的な拡充を進めている。こうした国の方針を追い風に、地域住民の集いの場である福祉施設や公民館、地区センターなどの公的施設へDKエルダーシステムの導入を働きかけた。

 既に東京都中野区、長野県松本市、大阪府泉佐野市などの自治体で導入が進み、泉佐野市では市内約50施設で約5000万円規模の設備更新予算が組まれるなど、行政予算を巻き込むことに成功している。

 さらにDKエルダーシステムは神奈川県から優れた未病改善サービスとして「ME-BYO BRAND(未病ブランド)」の認定を受けるなど、自治体からの公的な評価を獲得している。

 こうした行政予算を引き込むエコシステムと、自治体の「お墨付き」を得る戦略は、そのまま同社の安定した収益につながっている。現在、第一興商の業務用カラオケ事業全体の売り上げ(約600億円)のうち、DKエルダーシステムを含むシニア事業が10%以上を占めるまでになった。

 祖業で築いた資産の価値を、時代に合わせて再定義する。この地道だが戦略的なサバイバル術は、成熟市場で戦う企業にとって教訓となるはずだ。

ダイハツ、旭化成、NOT A HOTELなど登壇:
無料セミナー「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏」開催!

photo

ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。

AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。


  • 開催日:7月8日(水)〜8月5日(水)
  • 形式:オンラインセミナー
  • 参加費:無料

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る