「私がウダウダしゃべるより聞きやすい」 三菱重工、決算説明に“AIジュリア”起用の本音
三菱重工が、決算説明にAIナレーター「ジュリア」を起用した。導入の狙いを問われた西尾浩CFOが、笑顔で語った理由とは。
「それでは、2026年度第1四半期の決算実績の詳細について、ポイントを絞って説明いたします。説明は私、IR・SR室所属のAIナレーター『ジュリア』が担当いたします。はじめに……」――8月4日に開かれた三菱重工業の決算説明会で、決算の概要をAIナレーターが説明する場面があった。
ジュリアは、やや高いトーンの女性の声だ。ニュースキャスターのように明瞭かつ端正な発声で、同社の決算概要をよどみなく読み上げた。三菱重工業が決算説明会でAIナレーターを使うのは今回で2度目。前回、5月12日の2025年度通期決算説明会は「AIナレーターの『ジロウ』」が担当した。
8月4日の決算説明会では、同社の発電プラント事業や防衛分野の鋭い質問が飛ぶ中で、AIナレーターの起用に関する質問を受けた同社の西尾浩執行役員CFO(最高財務責任者)が、笑みを浮かべながら答える一幕があった。記者とのやりとりを紹介する。
「私が喋るより聞きやすい」 西尾CFOが笑顔で語った導入理由
――冒頭のAIナレーター、ジュリアについて伺います。導入した狙いを教えてください。
西尾CFO 狙いというほどのものではないのですが、皆さん普通に聞き取れたと思います。私がウダウダしゃべるよりも聞き取りやすかろうということで、私がIRグループの方にお願いして準備したものです。特段、何かをアピールしようというものではありません。
――今後どういった機能を追加するのか、活用方法などを教えてください。
西尾CFO 世間の皆さまの関心事項が多岐にわたり、それに対して当社内でさまざまな人がいろいろと回答しているため、それらを集約することに活用できる可能性があります。皆さまとのコミュニケーションをより効率よくできると思っています。
――今回はジュリア、前回はジロウでした。ほかに何人いらっしゃるのでしょうか。
西尾CFO ジロウ、ジュリアときて……(同社関係者に向けて笑いながら)あとはどんな感じですか? 何人くらい控えているんですかね? ――今のところ、この2人だけです。
――今後、質疑応答までAIナレーターが対応するとなるとちょっと悲しいのですが、今後の予定はいかがでしょうか。
西尾CFO その場での質疑応答はさすがに、当面は私が対応させていただけたらなと思います。
三菱重工業、Q1純利益が1346億円 前年同期比97%増
三菱重工業の2026年度第1四半期の業績は、受注高が2兆224億円だった。売上収益は1兆1942億円、事業利益は1兆1596億円で、純利益は前年同期比97%増の1346億円だった。いずれも第1四半期実績として過去最高を更新。ガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント(GTCC)事業が大幅に伸長して業績をけん引したほか、円安も追い風になったという。
第1四半期の結果を踏まえて、同社は年間の受注高が7兆円になるという見通しを示した。5月12日時点の見通しから2000億円の上方修正となる。売上収益、事業利益、純利益は据え置いた。
7月28日に発生した「令和8年熊本地震」による同社グループの業績や拠点への直接的な影響について、西尾CFOは「極めて限定的」と説明。同社顧客の設備に被害が生じていることを受けて「復旧に向けて必要な支援に努める」とした。
ダイハツ、旭化成、NOT A HOTELなど登壇:
無料セミナー「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏」開催!
ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
- 開催日:7月8日(水)〜8月5日(水)
- 形式:オンラインセミナー
- 参加費:無料
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
キオクシア、株価3分の1急落は「絶好のタイミング」 過去最高益と8000億円自社株買いで示す自信
キオクシアHDは、2026年4〜6月のNon-GAAP営業利益が1兆3262億円で、直近1年間の営業利益を上回ったと説明した。7〜9月の売上収益は、2兆3900億円を見込む。経営幹部からは力強い言葉が続いた。
AI・半導体企業トップが語る“稼ぎ頭” キオクシア、フジクラ、東京エレデバの見解まとめ【無料PDF】
乱高下するAI・半導体市場の今後はどうなるか? 注目企業の経営幹部が見通しを語った注目記事をPDFにまとめてお届けする。
トンカツ食べながら語った――NVIDIA、富士通、安川電機ら“フィジカルAI連合”誕生、発表直前の裏話
富士通、ファナック、安川電機、川崎重工業とNVIDIAによる“フィジカルAI連合”が誕生した。5社のトップは、記者説明会の直前には「トンカツ」を食べながら語り合ったという。その一幕を富士通の時田社長が明かした。
「大きな投資計画が次々に。久しぶりだ」――強く豊かな日本投資枠、経済成長かなうか? 片山大臣が語る狙い
政府は、2027年度予算の概算要求において、成長投資枠は「予算の上限額を設けない」とした。その狙いと意気込みを片山さつき財務大臣が語った。


