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ビール会社が「まず一杯の水」にこだわった理由 試作7回で生まれた"ふらつくグラス"週末に「へえ」な話(1/3 ページ)

ビールだけ飲むとグラスがふらつく――。ヤッホーブルーイングが開発した「ふらつくビアグラス」は、水も一緒に飲む習慣を自然に促すための商品だ。開発の背景には、「知っていてもできない」を仕組みで変えようという発想と、7回に及ぶ試作があった。

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 「ゴク、ゴク、ゴク……。ぷはぁ!」

 暑い日にビールを飲むシーンを文字にすると、こんな感じだろう。キンキンに冷えた一杯を、一気に飲み干したい――。そう思う人は少なくないはずだ。

 ところが、「ビールだけ飲むと倒れるグラス」があると聞くと、「そんなことが本当にできるのか?」と首をかしげてしまう。

 「よなよなエール」などのクラフトビールを製造するヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)が開発した「ふらつくビアグラス」(1万3750円、送料別)は、その名の通り、ビールばかり飲むとグラスがふらふらするのだ。


「ふらつくビアグラス」が登場(出典:ヤッホーブルーイング)

 アルファベットの「U」のような形をしていて、左右の筒の片方にビール、もう片方に水を注ぐ。両方の重さがつり合っている間は安定しているが、ビールだけ減るとバランスが崩れ、グラスがぐらりと傾く。水も同じくらい飲んで初めて元の安定した状態に戻る仕組みだ。

 「いやいや、なぜそんなグラスをつくったの?」と思った人もいるはず。狙いは、お酒を飲むときにチェイサー(水)も飲むよう自然に促すことだ。そして、商品そのもの以上に「ふむふむ」と感じたのは、完成までの試行錯誤だった。


最も苦労したのは「底面の形状」(写真の4→5)

 完成までの試作は7回。開発の経緯を追っていくと、「この形には一つ一つ理由があった」ことが見えてくる。

 最初は、アルファベットの「U」をそのまま立てたような形だった。シンプルで、「まずはつくってみました」といった印象のデザインだった。

 しかし、実際にビールを注いで飲んでみると問題が起きた。片側のビールを飲もうとグラスを傾けると、反対側に入っていた水が飲み口からあふれ、自分の顔のほうへ流れてきたのだ。

 これでは安心して飲めない。そこで開発メンバーは、左右の飲み口を少しずつ外側に広げた。花が開くように角度をつけることで、反対側の飲み物がこぼれにくくなったのだ。

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