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都心の一等地でも、店は平気でつぶれるけど――繁盛店に共通する“立地”のヒミツ出店戦略の最強技法(2/2 ページ)

好立地に出店すれば繁盛するだろう――ここに落とし穴がある。都心の一等地でも、店は平気でつぶれるのだ。では、長く続く店舗に共通する“立地のヒミツ”を解説する。

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商業施設に出店したけど……好立地なのに「続かない店」の共通点

 条件は悪くない。人通りもあり、立地の説明もつく。それなのに、思ったほど売り上げが伸びず、やがて苦しくなっていく店があります。

 こうした店に共通しているのは「人が来ない」ことではありません。来ているのに、選ばれ続けていないという点です。

  • 価格なのか
  • 雰囲気なのか
  • 入りやすさなのか
  • 使い勝手なのか

 例えば、こんな状況があります。商業施設の一角に出店した店が、開業から数カ月は順調に見えていました。場所は悪くない。通る人も多い。実際、レジには一定数が並びます。

 しかし、来店データを細かくみるとリピーター比率がとても低いことに気付きます。来ているのは「たまたま通りかかった人」ばかりです。一度来てくれた人が再来店してくれない。

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商業施設に出店したのにリピーター比率が低いことがある(画像:ゲッティイメージズ)

 なぜか。期待したほどの魅力がなかったから、ただ、それだけです。入りやすいから入った。でも、次に来る理由が見当たらなかった。

 これは集客の問題ではなく、店の定義の問題です。お客さまは無意識のうちに「なぜここに入るのか」を判断しています。それにもかかわらず「立地が良さそうだから」「人通りがあるから」という前提だけで出店すると、店の中身ではなく条件に頼った状態になります。

 逆に、条件が厳しい場所でも続く店は「何を提供する店なのか」「誰に、どう使われる店なのか」が定まっています。だから、日々の改善や修正がブレません。

  • どこを直すべきか
  • 何を守るべきか

 その判断ができるからです。出店で最初に決めるべきなのは、立地ではありません。自分は何の商売をやるのか。それは誰に使われるのか。この土台です。

「立地」の前に確認したい優先事項とは

 「何を実現したいのか」を言葉にしておく。それが、この先の出店判断で迷わないための土台になります。本記事では、この考えの軸を「コンセプト」と呼びます。

 「何を実現したいのか」はある。でも実際に出店準備を進めていくと、途中で判断が止まり、何度も迷うこうしたケースは少なくありません。理由ははっきりしています。物件、価格、商品構成、人の配置など、出店において欠かせない項目に、優先順位がないからです。

 一見すると考えがまとまっているように見えます。「これもやりたい」「あれもできそうだ」――しかし実態は「全部やりたい」という状態です。

 優先順位がないため、物件を見るたびに判断が揺れ、価格を決めきれず、商品やサービスを削れない。「どれも間違っていないが、どれも決めきれない」状態に陥ります。これは能力や経験の問題ではありません。

 条件が出てくるたびに悩む、自然なことです。全てに即答できない場合、まだ、コンセプトが整理しきれていないだけです。このセクションでやるべきことは、立派な言葉を作ることではありません。出店の途中で迷わないために、考えを整理しておくことです。

石井昭人(いしい あきひと)

元株式会社ローソン 理事執行役員。株式会社ツナグ. 代表取締役。コンビニエンスストア業界の大手2社のセブン-イレブン・ジャパンとローソンで、約30年にわたり全国あらゆる地域の現場で出店と運営、そして立て直しを手掛けてきた「リアル店舗開発のプロフェッショナル」。両社で合計約2000店の新規出店、運営・業務改善に取り組み、成功に導いてきた。

延べ150億人・1600億円規模の店舗出店〜運営というコンビニエンスストア業界での実績と経験をベースに確立した自身のオリジナルメソッドを、あらゆる業種業態の出店希望者や店舗オーナーに提供することを目的に2025年に独立。出店戦略および営業戦略アドバイザーとして、個人、スタートアップ企業から大企業までの事業支援を行っている。


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