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「失敗する」と分かっていても、なぜ人は止まれないのか 東芝と消費減税に見る“組織の病理”スピン経済の歩き方(2/8 ページ)

失敗は目に見えていたが、社長や会長などの決定権を持つ人が実行。結果的に大きな失敗につながった、なんてことはないだろうか。現在進められている「消費税減税」にも、同じ問題が当てはまると考えられる。なぜそう思うかというと……。

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東芝の不正会計事件とは

 2015年に発覚したこの事件は、歴代の経営陣が各部署に「チャレンジ」と称した過度な収益目標を押し付けてきたことで、そのプレッシャーから逃れるために、現場が利益を水増しする処理を行った。損失を翌期に先送りすることを繰り返していくことで、6年間で2248億円もの利益が修正された。この不正の背景にも、「コンコルド効果」に似た構造があったと考えられる。

 第三者委員会の調査報告書に「このような不適切な会計処理を改善しようとの試みも見られたが、改善のためには多額の損失の計上を余儀なくされるところ、業績を悪化させてまで一挙に改善を実行するという抜本的な対応を講じるには至らず」(278ページ)とある。

 つまり、東芝が不正会計をやめられなかったのは、社内のさまざまな人々が続けてきた「損失隠し」を表沙汰にすることを避けたかったからなのだ。これは、巨額の投資をしてきたコンコルドの開発を途中でやめられなかった心理と、構造的には共通している。


2015年に発覚した東芝の不正会計事件(出典:ゲッティイメージズ)

 「自社の不適切な会計処理を是正する」ということは、不適切な会計処理に関わった人を明らかにし、その責任を問うことにもつながる。もっとストレートに言えば、「同僚やグループ会社の仲間たちを売る」ことになる。これは「組織人」として受け入れ難いため、「右にならえ」で不正会計を引き継いでいく。

 コンコルドが大きな損失につながることが予想されても、これまでに投じた巨額の資金や、開発に携わった人々の苦労を考えると撤退できず、最後まで突き進んでしまった組織力学としては、基本的に同じ構造といえる。

 では、このコンコルド効果を防ぐにはどうすべきか。決定権を持つリーダーに方針を再考させるか、場合によってはリーダーを交代させる必要がある。

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