2015年7月27日以前の記事
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「失敗する」と分かっていても、なぜ人は止まれないのか 東芝と消費減税に見る“組織の病理”スピン経済の歩き方(8/8 ページ)

失敗は目に見えていたが、社長や会長などの決定権を持つ人が実行。結果的に大きな失敗につながった、なんてことはないだろうか。現在進められている「消費税減税」にも、同じ問題が当てはまると考えられる。なぜそう思うかというと……。

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企業と軍隊の共通点

 企業にも軍隊と似たところがある。商品やプロジェクトに大きな問題が見つかっても、「この商品を開発するためにどれだけの人が関わったと思っているのか」「このプロジェクトには社員の思いが込められている」などとリーダーが言い出したら、そう簡単に製造中止や撤退を決断できない。むしろ、さまざまな手段を講じてでも、製造中止や撤退を避けようとする。

 高市首相が掲げる「消費減税」にも、同じ構図が見て取れる。高い支持を得ていたときの公約であったことも事実だし、今も世論調査では約半数の人が消費減税に賛成である。こうした支持者たちの「思い」を無駄にするわけにはいかない。だからこそ、高市首相は消費減税を推進し続ける。それがどんなに悪い結果を招くとしても、今さらこれを止めることはできないのだ。

 こうした「コンコルド効果」には、高市首相のような「責任感の強いリーダー」ほど陥りやすい。

 それは、戦時下のリーダーにも当てはまる。戦死者が膨大な数に上っても中国大陸から撤退せず、「日本必敗」という分析が示されていたにもかかわらず、日米戦争に踏み切ったのは、「無責任」だったからではない。亡くなった人々への「責任」を果たそうとするあまり、合理的かつ冷静な判断ができなくなっていたのだ。

 データや論理を重視して仕事をするビジネスパーソンからすると、違和感を覚えるかもしれないが、日本型組織の意思決定に大きな影響を与えるのは「人々の思い」などの精神論なのだ。こうした組織の現実を、秋から始まる消費減税の議論から、ぜひ学んでほしい。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受


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