2015年7月27日以前の記事
検索
連載

「桃太郎空港」「すし空港」「コナン空港」…… なぜ“変な名前”の空港が増えている? 実際の効果は(1/3 ページ)

「富山高山すし空港」をはじめ、ユニークな愛称を付ける空港が増えている。自治体は知名度向上や観光客の誘致を狙うが、愛称変更は実際の集客につながっているのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

視聴無料・LIVE配信:
無料セミナー「ROI視点で考える本気のAI PC選定」開催!

photo

  • 開催日:8月28日(金)
  • 形式:オンラインセミナー
  • 参加費:無料

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 富山県の新田八朗知事は7月、富山空港(富山市)の新しい愛称を「富山高山すし空港」にすると発表した。2012年から、富山弁で「新鮮」を意味する「きときと」を用いた「富山きときと空港」という愛称が使われてきたが、インバウンドに向けた発信を強化するため変更した。富山県は現在、「すし」を軸に観光振興を進めている。観光地のある岐阜県高山市の名前も取り入れた。

 国内では2000年代から、富山空港のように”変な”名称の空港が増えている。利用者の増加が目的だが、必ずしも効果は得られていないようだ。


変な名称の空港が増えている(提供:ゲッティイメージズ)

改名後も乗降客数が減少した「高知龍馬空港」

 大阪国際空港(大阪府豊中市)を伊丹空港と呼ぶように、所在地が空港の愛称になる事例は一般的だ。だが、2000年代から特徴的な愛称を付ける事例が増えている。

 その火付け役とされるのが高知空港(高知県南国市)だ。同空港は1960年に民間用の飛行場として運営を開始し、2003年に「高知龍馬空港」という愛称を定めた。土佐藩(現在の高知県)出身の坂本龍馬にちなんだ愛称で、高知県をアピールする狙いがあるという。地元の経済同友会が主導する署名運動を経て実現した。

 仏パリのシャルル・ド・ゴール国際空港や米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港のように、海外では人名を空港名にする事例は一般的だ。日本では、高知龍馬空港が人名にちなんだ初の空港である。

 愛称の変更による集客の効果はあったのだろうか。数値を見ると効果は限定的のようだ。高知龍馬空港の利用者のほとんどは国内線だ。年間乗降客数は改名した2003年で160万人を超えていたが、2006年には150万人を下回り、2009年には約119万人となった。本州四国連絡橋の整備により高速バスや自動車のシェアが増え、関西便の利用者が減少した影響が大きい。

 なお、2010年以降はLCCの普及や景気の回復などにより利用者数が増加した。2019年には再び160万人を突破し、近年では150万人台で推移している。数年が経過しているため、近年の好調は改名が要因ではないことが明らかだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る