「中国製は扱いません」が消えた DHC元会長の通販「かぜとゆき」が“看板”を外した理由:スピン経済の歩き方(2/5 ページ)
DHC元会長の吉田嘉明氏が立ち上げた通販「かぜとゆき」から、「中国製は扱いません」の宣言が消えた。なぜこのタイミングで、方針転換したのか――。
方針転換は「愛国者対策」か
だが、「かぜとゆき」のお客さま相談室に問い合わせをしてみると、意外な答えが返ってきた。
担当者によれば「中国製は扱いません」をチラシやWebサイトから削除したのは、「かぜとゆき」のポリシーが社会に十分浸透したと判断したからだという。わざわざ公言しなくなっただけで「中国製を扱わない」という方針は何も変わっていないというのである。
ただ、企業危機管理に長く携わってきた立場で言わせていただくと、「反中国」という政治的な思想が色濃く反映されたメッセージを、何の説明もなく取り下げる対応は、かなり危ういように思える。
これまで「かぜとゆき」の「中国製を扱いません」という方針を支持していた人も、批判していた人も基本的には“イデオロギー強めの人”である。こういう人たちに企業側が「攻撃する隙」を見せてしまうと、企業側が想定していなかった角度からバッシングが始まり、大炎上につながることがある。
実際、少し前にそういう例が中国であった。同国最大手のミネラルウオーターメーカー「農夫山泉」だ。
きっかけは、同社が販売した緑茶のパッケージに記された説明文だった。
「西暦1267年、日本の僧侶・南浦紹明が径山寺(浙江省杭州市の古刹)において仏教の修行を行い、お茶を嗜(たしな)む習慣を身につけ、蒸した緑茶を東方に持ち帰り人々に伝えた。日本の抹茶はこれが起源となっている」
一見すると、「日本の抹茶文化のルーツは中国にある」という、中華思想(中国を世界の中心とする伝統的な思想)を想起させる愛国的な宣伝文句だが、中国の愛国者たちから、「抹茶は9世紀末に遣唐使によって日本に伝えられたのでは?」というツッコミが殺到した。さらに、この説明の背景に描かれた「五重塔」が京都の東寺のものだったことから、「親日的だ」との批判が広がり、炎上した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ大阪と浅草でニュースが“逆”になるのか 中国人観光客報道の舞台裏
中国政府による「日本観光自粛」の影響が、報道するメディアによって真逆の内容になっている。なぜこのような事態が起きているのかというと……。
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
富士そば「外国人観光客お断り」は悪なのか 立ち食いそば騒動が問いかけた現実
庶民の味方である立ち食いそばに、外国人観光客が押し寄せる現象が起きている。外国人観光客お断りを示す店舗もあるが、「そば」が本当の意味でも世界に愛される日本食になるためにできることとは。
セブンはなぜ苦戦するのか コンビニ王者を支えた「勝ちパターン」が曲がり角
コンビニの「王者セブン」は、なぜ苦戦しているのか。コンビニ大手各社や外食大手のゼンショーHDが展開する“謎コンビニ” の狙いを調べてみると……。
