「中国製は扱いません」が消えた DHC元会長の通販「かぜとゆき」が“看板”を外した理由:スピン経済の歩き方(5/5 ページ)
DHC元会長の吉田嘉明氏が立ち上げた通販「かぜとゆき」から、「中国製は扱いません」の宣言が消えた。なぜこのタイミングで、方針転換したのか――。
「現実路線」へ軌道修正したその後は
チラシによれば、「かぜとゆき」は日本最大規模の物流センターを立ち上げ、10万SKU(Stock Keeping Unit)の商品を、258台のロボットによって、これまでにないスピードで配送している。
しかも、「全国どこでも送料無料」「冷凍・冷蔵便も無料」(沖縄と離島は除く)といった強みがあり、ネット通販の巨人・Amazonに対抗する狙いもあるのではないか。
「日本のメーカーを応援していく」という吉田氏の理念には一定の意義がある。だからこそ、過剰な愛国心をあおるような危険な賭けに出るべきではないと考える。
これは今の日本経済全般にも当てはまることだが、自分たちの低迷の原因を「こいつが悪い」「あいつらが足を引っ張っているからだ」と誰かのせいにしていても、いつまでたっても浮上はできない。
「他責思考」が強まると、自分を客観視することができず、問題の本質から目をそらしがちになり、しまいには「あいつらが失敗すればわれわれはうまくいく」という偏った考えにとらわれてしまうからだ。
あらゆるサプライチェーンが張り巡らされ、モノも情報も瞬時に行き交う今の世界で「排他的ビジネス」は難しい。チラシやWebサイトへの掲載はやめたものの、「中国製を一切扱わない」という基本方針は変えていないとする「かぜとゆき」が、今後どのように事業を拡大していくのか、注目したい。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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