「やせ薬ブーム」も影響? 「粉末プロテイン」の値上げラッシュがまだまだ続きそうと思える、深刻な背景(1/3 ページ)
明治など、プロテイン製品の値上げが相次いでいる。背景には何があるのか。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
食品メーカー大手の明治は9月にプロテイン製品の容量改定を実施する。「ザバス ホエイプロテイン100」など複数の商品で、価格は据え置きながら容量を減らすという。明治は関連製品の値上げを続けており、今では市販品の相場が2年前の最大2倍まで膨らんでいる。
プロテイン価格高騰の背景にあるのが世界的なフィットネス需要の拡大だ。先進国のみならず新興国でも健康志向が高まっており、タンパク質製品を購入する消費者が増えた。また、やせ薬を使った過激なダイエット法を実践する人の間でプロテイン需要が高まっている。
一度のみならず、複数回にわたる値上げが当たり前に
プロテイン粉末は手軽にタンパク質を摂取できる。できるだけ余分な成分を抑えてタンパク質を得られるとして、ボディビルダーやアスリートに重宝されてきた。例えば、ザバス ホエイプロテイン100の場合、トライアルタイプ10.5gに7.3gのタンパク質を含む。一般的な食品と比較して、タンパク質量がかなり多い。
そんなプロテインの価格が、今年に入って著しく上昇している。
プロテインなどを扱う「Ultimate Life」(大阪市)は、「GronG」ブランドで展開する商品を3月と6月、二度にわたって値上げした。「ホエイプロテイン 100 スタンダード 1kg」は、3780円→5980円となった。市販品はこれまで段階的な値上げが続いたが、今年に入って急騰し、現在の相場は2年前のおよそ1.5〜2倍に拡大している。製品価格の高騰は日本のみならず世界で進行しているようだ。
商品名に「ホエイ」と付くように、一般的なプロテイン粉末はチーズを製造する際に発生する副産物のホエイを原料とする。ホエイから余分な成分を排除してタンパク質の含有率を高めたものがWPCやWPIなどの凝集物であり、国内のプロテインメーカーはこれらを輸入してプロテイン製品を製造している。
WPCやWPIはチーズの生産地である欧米で生産されており、日本はそのほとんどを輸入に頼っている状況だ。そして近年、世界的なプロテイン需要の拡大によってWPCとWPIの価格が上昇している。
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