なぜ吉祥寺駅周辺にスタバが9店舗もあるのか 超過密出店なのに、どこも繁盛しているワケ(4/5 ページ)
吉祥寺周辺には、スタバが9店舗も出店している。どのような狙いがあるのか?
なぜ9店舗でも成立するのか?
では、なぜ同じエリアに9店舗も出店しても、1店舗当たりの売上高は平均値を上回り、超ドミナント展開が成立するのでしょうか。ポイントは大きく3つあります。
ポイント1:駅の基礎集客力が圧倒的に大きい
2024年度のJR吉祥寺駅は1日平均乗車人員が12万8246人で、JR東日本の駅の中で20位に入ります。住宅街を抱えているだけのことはあり、有楽町駅や恵比寿駅よりも多い駅なのです。
さらに吉祥寺には京王井の頭線があり、2025年度の1日平均乗降人員は13万121人で、2024年度比で102.3%です。JRと京王では統計の定義が異なるため単純合算はできませんが、吉祥寺は東京の中でも巨大な乗換駅の一つであり、同時に住宅や買い物、遊びに行く場所としての目的地でもあるのです。
このように、吉祥寺は多くの人が乗降する駅であるため、商売をする企業にとっては外せない場所です。
特に小売り・サービス業にとって吉祥寺は、広い客層に毎日利用してもらうことができ、顧客を固定化できる可能性があります。吉祥寺はスタバにとって最も稼ぎやすい立地の一つと言えるのです。
ポイント2 吉祥寺は「街で過ごす人」も多い
武蔵野市開発公社が行った「吉祥寺来街動機等調査2024」では、吉祥寺に行く目的は仕事や学校という人が最も多く、買い物、飲食がそれに続いています。また、吉祥寺で過ごすことを目的にする人の約36%が買い物、同じく約36%が飲食というのも、吉祥寺の特徴と言えます。
吉祥寺は用事を済ませてすぐ帰る駅ではなく、回遊し、滞在し、途中で何度か休憩や飲食需要が発生する街です。飲食目的が買い物目的を上回っているという結果も、カフェ需要の高さを示しています。
ポイント3:スタバ9店舗はきちんとすみ分けしている
前述の各店特性比較表で示した通り、吉祥寺のスタバは通常のコーヒー店に加え、ティー特化型、改札直結型など、店舗特性を変えてすみ分けを図っています。
そのため、スタバの吉祥寺9店舗出店は「超ドミナント出店」というより、「顧客の利用目的に応じたポートフォリオ型の出店」とも言えます。各店舗がすみ分けをすることで、互いに競合することなく、共生しているのです。これを自在に変えられる持ち球があるところが、日本のスタバの強さと言えるでしょう。
同時に、吉祥寺駅周辺に複数店舗を出店することで、カフェのリーダー企業として同業他社の客を取り込めている可能性もあります。これは他店にとっては大きな脅威です。今後別の商圏でも、同様の超ドミナントを展開される可能性もあるからです。
吉祥寺のスタバ既存店は満席のことが多く、なかなか座れないという課題がありました。これを解消するために複数店舗を出店し、これまで取りこぼしていた客を獲得し、本来得られたはずの売り上げを確保したいという考えもあるのでしょう。
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