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「若者の街」はどこへ 西武と東急「渋谷100年戦争」、西武渋谷とハンズ閉店の影響はどう出るのか長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)

若者の街として知られる渋谷だが、近年は大人の街へと姿を変えつつある。この100年にわたり、街づくりを進めてきた西武と東急のシンボル的な店も閉店を控える。今後、渋谷はどうなっていくのか。

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 西武渋谷店の果たした役割として、もう一つ大きいのは、渋谷のストリートに飲食店、ブティック、レコード店、ライブハウスなどのユニークな個人店が広がるきっかけをつくったことだ。

 その他「路地」を巡る楽しさを、セゾングループは提案した。欧米のストリートを参考に、おしゃれな街灯や電話ボックスを街中に配置。「歩いて楽しい」演出を施し、若者が集まるようになった。例えばスペイン坂は、単なる細い階段を、パルコと近隣の商店と協力して、南欧風の景観に統一して命名したものだ。


スペイン坂(筆者撮影)

 近年は売り上げが落ちて存在感が薄らいではいたが、このように西武渋谷店は渋谷の広範な路面店が強い文化を先導する起点になった店だった。

西武の陣地に攻め込んだ「ハンズ」

 一方のハンズ渋谷店は、井の頭通りとオルガン坂の交差点にある。東急グループの店だったのに、西武の勢力圏に飛び地のようにある独特な立地だ。坂に建っているビルでもあり、店内に入るとダンジョンのように複雑で、自分が何階にいるのか分からない感覚に陥る人も多いのではないだろうか。


オルガン通り(筆者撮影)

 このハンズもまた、路面店をハシゴしているような独特な構造の店で、エスカレーターがない。24ものフロアが、マニアックな独立したショップのように並んでいる。客は階段を上がったり下がったりしながら、ショッピングをするのが特徴だ。効率性の追求とは異なる文脈を有した店で、大量生産された家電や家具をそろえる画一的な生活に飽きた都会の生活者をターゲットとし、「手の復権」をテーマとした。


ハンズ渋谷店(筆者撮影)

ハンズ渋谷店の路面店の集まりのような独特な構造(筆者撮影)

 ハンズはネジ1本にもこだわって品ぞろえを行い、日曜大工、レザークラフト、彫金など一芸に秀でた「趣味人」を店舗スタッフに採用。顧客をコンサルしながら販売する、特異なスタイルの店を目指した。東急グループがセゾングループの縄張りに入り、秀逸なアイデアでセゾングループを乗り越えた店だと言えるだろう。

 しかし、近年はマニアックな商品はECで探せるし、100円ショップでもDIY向けの商品を一部取り扱うようになり、ハンズの長所が相対的に弱まった。土地と建物を所有する不動産大手のヒューリックは、自社で運営する高級ホテルに建て替える方針。リッチなインバウンドの顧客向けの商売のほうが稼げると考えているようだ。

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