みずほ銀行「2%還元、上限なし」の衝撃 なぜ、メガバンクは金利よりポイントなのか:「ポイント経済圏」定点観測(4/4 ページ)
日銀の政策金利が1%まで上昇する中、3メガバンクは預金金利ではなく、クレジットカードのポイント還元で顧客獲得を競っている。みずほが打ち出した「常時2%還元」は、三井住友や三菱UFJの「最大20%」と何が違うのか。その狙いと背景を探る。
先に崩れるのは預金金利か、カード還元か
メガバンク3行のやり方を並べると、銀行がどう預金を集めようとしているかが分かる。預金金利を引き上げれば、既存顧客にまで一律に利息を払うことになるが、ポイント還元であれば、コストがかかるのは、口座を移したり取引を積み上げたりした人だけだ。
3行は8月の引き上げ後も、普通預金金利を0.40%でそろえたまま、還元の設計で差をつける道を選んだ。通常還元の0.5%と特定店の最大20%、そして常時2%という違いは、その選択の表れである。
みずほの「上限なし」は、そのなかで最も思い切った還元だ。ただ、これが続くかどうかはみずほ一社では決められない。2%還元の土台となる楽天カードの通常ポイントは、楽天が条件を決める。
楽天は2023年12月にSPU(スーパーポイントアッププログラム)の獲得上限を縮小するなど、還元条件を見直してきた経緯がある。三井住友や三菱UFJが対抗して「常時」の還元を引き上げてくれば、今度は条件なしの数字そのものが競争になる。
利用者の視点に立てば、常時2%はみずほを決済の中心口座にすることへの対価である。カードの引き落とし口座を移して所定の登録を済ませ、楽天カードをすでに2枚持っていれば1枚解約した上で申し込む。他行にすでにメイン口座をまとめている生活者にとって、比べるべきは還元率の差だけでなく、この移行に伴う実際の手間だ。
預金金利では差をつけない3メガバンクが、カード還元では「最大」で競う先行2行と「常時」で売るみずほに分かれた。次に横並びが崩れるのは預金金利か、それとも条件なしの還元率か。みずほの2%は、その行方を占う試金石になる。
筆者プロフィール:斎藤健二
金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
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