祇園に「1泊300万円の部屋」 泊まる人は何をしているのか 帝国ホテルの総支配人に聞いた:2026年上期メガヒット記事(2/5 ページ)
京都・祇園に2026年3月、最高1泊300万円の客室を備えた帝国ホテル京都が開業した。歴史的建築「弥栄会館」を改修したホテルだ。最高級スイートの中はどんな空間なのか。宿泊客はどんな滞在を楽しんでいるのか。総支配人に話を聞いた。
最高級のスイートルームが気になる
土肥: 祇園の象徴的な建物はどこか? このように聞かれて「弥栄会館」を挙げる人も多いはず。この建物は1936年に完成して、演劇や人形浄瑠璃の劇場として始まり、その後は映画館やダンスホールなど、さまざまな興行に使われてきました。祇園のランドマークともいえる建物(登録有形文化財)が、今回ホテルとして生まれ変わりました。
ホテルは地上7階、地下2階建て。総事業費は約124億円で、客室数は55室。開業初日は販売したすべての客室が予約で埋まり、レストランも満席だったそうですね。
個人的に気になったのは最高級のスイートルームで、宿泊料金は1泊300万円。広さはテラスを含めて200平方メートルほど。客室を取材して、「ものすごく広いなあ」という印象は受けなかったのですが、最大のウリは北側と東側にあるテラスですよね。朝は東山から昇る朝日を望め、夏には五山の送り火も楽しめる。テラスにはガゼボ(屋根付きの休憩用あずまや)も設けられていて、外でゆったりと過ごせるのも特徴ですよね。
この部屋を見て「300万円はちょっと高いよ」と感じる人もいれば、富裕層からすれば「こんなもんでしょ。むしろ、安いよ」と感じる人もいるかもしれません。そもそも、価格を決めるにあたって、社内でどのような議論があったのでしょうか?
坂田: 価格設定を検討する中で、社内で議論したのは「この部屋の価値はどこにあるのか」という点でした。結論として大きかったのは、やはり「立地」ですね。
ホテルは祇園の中心にある。朝は、ほうきで道を掃く音が聞こえてきそうなほど静かな時間が流れている。そして夜になると、お茶屋や料理屋の赤い提灯が並び、祇園ならではの景観が広がっている。
こうした京都ならではの風景を、客室のテラスから眺めることができる。祇園の真ん中に滞在しているからこそ、味わえる体験だと考えました。
また、客室そのものに加え、お客さま専属のスタッフを配置しています。滞在中のさまざまなご要望にお応えできる体制を整え、「滞在体験そのもの」を価値として価格を設定しました。
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