「休暇中もメールを確認」――休めない現代人、78%が「AIに頼れば仕事から離れやすい」 調査で見えた“悲痛な叫び”
ナレッジワーカーを対象にしたZoom Communicationsの調査で、61%が「休暇明けの仕事を憂鬱に感じている」と答えた。調査は、現代人の“悲痛な叫び”に満ちていた。
「休暇中だけど、ついつい電子メールアプリを開いてしまう」「休暇前に少しでも仕事を進めるため残業する」「仕事が気になって休んだ気がしない」――こんな経験はないだろうか。
秋の連休「シルバーウイーク」がやってきた。2026年は、カレンダー通りなら5連休、有給休暇などを活用すると9連休になる。連休は、心身をリフレッシュするための貴重な時間だ。一方で、休み明けの業務量を想像し、重い気分になるビジネスパーソンも多い。
休み明けの仕事に対する不安は、多くのビジネスパーソンに共通するようだ。米Zoom Communicationsが、調査会社の米Morning Consultに委託した調査「Out of Office Index」によると、ナレッジワーカー(知識労働者)の61%が休暇明けの仕事を憂鬱(ゆううつ)に感じており、そのうち48%は休暇前から不安を感じているという。
「休暇を取ることは、本来、心身をリフレッシュするための時間であるべきです。しかし、多くの従業員が、休暇から戻ったときに待ち受ける仕事への不安を抱えたまま休暇を過ごしています」――Zoom Communicationsのホイットニー・マグナソン(Whitney Magnuson)氏はこう述べる。
調査結果は、仕事に追われるビジネスパーソンの“悲痛な叫び”が聞こえてくるものだった。休めない現代人たちは、AIに希望を見いだしたようだ。
「休暇中もメールを確認」「前倒しで長時間働く」――現代人の“悲痛な叫び”
Out of Office Indexは、米国のナレッジワーカー1000人と、IT意思決定者500人を対象にした調査だ。調査結果から、仕事のプレッシャーが、休暇にさまざまな影響を与えていることが分かった。
回答者の65%が「仕事を前倒しで進めるため、休暇前に通常より長時間働いている」という。また、過去1年間に、有給を使い残した人は全体の57%で半数を超え、仕事を理由にして休暇を全く取らないことを検討している人は42%に上った。
回答者の68%が「休暇明けに何百件もの未読メールに直面するよりも、休暇中も受信トレイを確認するほうがよい」と答えた。短期間とはいえ仕事から離れることで、休暇後に出遅れることを不安視しているようだ。
実際、未読のメールやメッセージをストレスの原因に挙げた人の割合は77%だった。元の働き方や仕事のペースを取り戻すまでに丸1日を要すると回答した人は88%に達し、仕事に完全に追い付くまでに3日以上かかる人が53%に上った。
管理職の70%が「休暇前に通常より長く働いている」
Zoom Communicationsの日本法人であるZVC JAPANは「Z世代は、休暇を巡る不安がより顕著」だとする。休暇に入る前に不安を感じると答えた人は、全体の48%だったが、Z世代に限ると52%となり、4ポイント増加した。
休暇を取らない選択を考えたことがあるZ世代は52%(全体は42%)、1年間で有給を使い残した人は65%(全体は57%)で、いずれも全体の数値を上回った。
管理職の状況も深刻だ。管理職の53%が休暇前から不安を感じており、非管理職の36%を上回っている。休暇前に通常より長く働いていると答えた人は全体の70%で、全体の60%が有給を使い残しているという。
「同僚の不在によって業務効率が低下する」 組織としての対策は
ZVC JAPANは、情報や意思決定が特定の個人に依存している場合は「重要な役割を担う従業員が休暇を取ると(中略)その影響はチーム全体に及ぶ可能性がある」と説明した。
回答者の71%が「チームメンバーが不在の場合、業務に遅れが生じることがある」と答えた。「チーム内の連携に支障が生じる」と答えた人が65%、「同僚の不在によって業務効率が低下する」と答えた人が60%だった。
企業にはこうした課題への対応が迫られており、IT意思決定者の76%が「今後12カ月以内に、チームの生産性と業務継続性を支えるツールに投資する予定がある」と回答した。
「組織は、従業員の不在時にも、業務に必要な情報や経緯を引き継ぎ、仕事を滞りなく進められる仕組みを求めています」(ZVC JAPAN)
AIが支援してくれれば「休暇中に仕事から完全に離れやすくなる」
ビジネスパーソンが休暇前後に抱く不安の一つが「情報のキャッチアップ」だ。ZVC JAPANは「(休暇後に把握しなければならない)情報の多くは、不在中のミーティングやチャット、顧客とのやりとりなど、日々の会話の中で生まれている」と分析した。
スムーズに仕事に復帰するためには「不在中に何が起きたのか」「どのような意思決定が行われたのか」「次に何をすべきなのか」を効率的に把握することが重要だ。
そこで、AIの活用が期待されている。Out of Office Indexによると、回答者の82%が「不在中の出来事をAIに要約してほしい」と回答。78%が「復帰時にAIが確実に業務へのキャッチアップを支援してくれるのであれば、休暇中に仕事から完全に離れやすくなる」と答えた。
Web会議ツールやグループウェアには、生成AIを使った議事録生成や要約機能が搭載されているものがある。これらの機能を活用して、休み明けの不安を減らすことができるか。
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