2015年7月27日以前の記事
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弁当屋や銭湯がじわじわ消えている。でも、それだけで「日本の衰退」とは言えないワケスピン経済の歩き方(4/6 ページ)

「弁当店が消える」「銭湯がなくなる」と聞けば、寂しい気持ちになるだろう。だが実は、こうした現象は日本経済にとって悪い話ばかりではない。なぜかというと……。

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産業の新陳代謝

 今回の倒産増について「食材や燃料費の高騰が原因だ」という分析もあるが、それはキッチンカーでも、飲食店の弁当販売でも同じことだ。多くの事業者が厳しい経営環境に置かれる中で、「街のお弁当屋さん」の倒産がここまで顕著に増えていることは、物価高騰だけでなく、新しいビジネスモデルや新たなプレーヤーに顧客を奪われている面もあると考えられるのではないか。

 厳しい話ではあるのだが、これが「産業の新陳代謝」という現実だ。

 個々の事業者を見れば、市場から強制的に退場させられるため「悲劇」以外の何ものでもない。しかし、経済全体を見れば、新しい事業者や雇用が増えて、これまでとは異なる消費が生み出されている。

 もちろん、「消えゆく○○」によって失業する人もいるが、今の日本は、外国人労働者の受け入れを拡大するほど人手不足が深刻なので、働く意欲があれば、前職より条件のいい職場へ転職できる。いわゆる「雇用の流動化」も進む。こうした新陳代謝が、経済成長につながる面もある。

 これは廃業に歯止めがかからないと報じられている銭湯にも当てはまる。確かに、「街のお風呂屋さん」は激減していて、今のまま減少が続けば、山形県のように「銭湯ゼロ県」が増える可能性もある。

 しかし、それと入れ替わる形で、スーパー銭湯や温泉施設、サウナなどの新しい業態が増えている。筆者は風呂好きで、仕事のついでに各地のスーパー銭湯や温泉施設を巡っているが、土日や連休などに行くと家族連れでにぎわい、場所によっては外国人観光客もいる。


外国人観光客でにぎわう銭湯も(出典:写真AC)

 こうした市場の活況は、昔ながらの銭湯にも波及している。例えば、東京・上野にある「寿湯」では外国人利用者が倍増したという。

 ただ、一つここで誤解をしてはいけないのは、こういう新たなにぎわいを生み出している銭湯は「昔ながらのビジネスモデル」をただ続けているわけではなく、時代に合わせて新しい取り組みをするなど、「企業努力」も続けているということだ。

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