電車に乗るだけでVポイント なぜ乗車そのものにポイントを付けるのか:「ポイント経済圏」定点観測(2/4 ページ)
10月7日から、首都圏の鉄道4社で「乗車ポイント」が始まる。Visaのタッチ決済で乗車するとVポイントが貯まる仕組みだ。鉄道会社が乗車データと購買データを組み合わせる狙いとは。
改札の外まで届くデータ
答えは、ポイントとともに鉄道会社へ届くデータにある。そもそも鉄道会社は、これまでも一定のデータを手にしてきた。クレカ乗車による入場・出場のデータは毎日、鉄道会社に提供されている。三井住友カードもカード決済のデータをレポートにしており、どの店でいくら使われたか、カードの発行国、さらに自社カードの会員であれば属性まで分かる。
乗車ポイントは、ここにVポイントのデータを重ねる仕組みだ。Q-moveが乗降駅から運賃を計算し、その乗車データをVポイント側へ渡すと、Vポイントマーケティングがポイントを付ける。同時に鉄道4社はVポイントの提携先となり、コンビニやドラッグストアと同じように、会員の購買情報などを把握できるようになる。
これまでと違うのは、データの細かさだ。共通ポイントには、提携先のレシートに載る商品の明細まで集まる。Vポイントマーケティング常務執行役員の杉浦敬太氏は、その差をこう説明した。「クレカのデータで分かるのは、ドラッグストアで買った、百貨店で買ったというところまで。われわれのデータでは、トイレットペーパーやおむつ、ペットフードを買っていることまで見える」
杉浦氏が使い道として挙げたのは、街づくりだった。地域の暮らしぶりが見えれば、ペットショップが足りない地域への出店や、ドラッグストアが必要な地域への開店を検討する材料になる。
Vポイントマーケティングは鉄道会社と話し合いながら、こうしたデータを暮らしやすい街づくりに使ってもらう考えだ。鉄道会社は沿線で商業施設や不動産の事業も手掛けている。乗客が改札の外で何を買っているのかが分かれば、そうしたグループ事業を展開する上での材料にもなるわけだ。
データの扱いについて、杉浦氏は「個人を追跡するものではなく、マーケティングとして使っていく」と話す。乗客から見ればわずか0.5%の上乗せでも、鉄道会社から見れば、改札を出た後の乗客の暮らしぶりを知る貴重な手がかりになる。それにしても、鉄道会社はなぜそこまでデータを求めるのか。
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