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「女性リーダーが育たない・離職する」中小企業をどう変える? 企業×従業員の「双方支援」で組織を強める東京都の無料支援

人手不足が深刻化する中、都内の中小企業にとって女性従業員の定着とキャリア形成は重要な経営課題だ。しかし、リソースがない中で、一体何から手をつければよいのだろうか。解決のヒントとなるのが、東京都が展開する「企業と働く女性のキャリアパートナーシップ支援事業」だ。女性が長く働き続けられる職場づくりに取り組む企業の先進事例と、同事業が提供する無料のプログラムや注目のセミナー情報を紹介する。

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 多くの中小企業が「せっかく採用した優秀な女性従業員が離職してしまう」「女性従業員のモチベーションやキャリア意識を高めたいが、自社に育成ノウハウがない」といった悩みを抱えている。少子高齢化に伴う人手不足が加速する中、優秀な人材の定着を図り、誰もが能力を発揮できる職場環境を整えることは、企業の持続的成長に向けた重要な経営課題※だ。

※参考データ:女性活躍に関する調査 結果概要(令和5年度厚生労働省委託事業)厚生労働省 雇用環境・均等局 雇用機会均等課

 女性従業員が能力を発揮しやすく、長く働き続けられる環境をつくるためには、制度整備だけでなく人材育成やキャリア形成を含めた取り組みが求められる。

 その一助となるのが、東京都が展開する「企業と働く女性のキャリアパートナーシップ支援事業」だ。女性活躍推進に取り組む都内の企業と、キャリア形成を目指す女性従業員を多面的に支援している。

 最大の特徴は、企業と女性従業員の双方を支援する点だ。企業の職場環境整備を促進するとともに、女性従業員のキャリア形成を後押しするためのセミナーや交流会、個別相談など、16のプログラムを無料で提供している。

都内企業の先進事例:離職率38%から8%へ 業界平均を下回る職場改革 従業員一人一人に寄り添う制度改革

 女性活躍の推進や人材定着を目指す上で、先行企業が課題を乗り越えて職場環境を改善し、成果につなげたプロセスは大きなヒントになる。都内企業の先進事例として、葛飾区を拠点に介護や障害福祉事業などを展開する愛和の取り組みを紹介する。


愛和の堀江真由美氏(経営管理部 取締役部長)

 かつては業界特有の人材不足や高い離職率に悩まされていた愛和。同社の堀江真由美氏は、当時の危機感を次のように振り返る。

 「私が入社した当時は離職率が38.0%と高い状況で、何とかしなければいけないと感じていました。人手不足の深刻化が予想される業界ということもあり『皆が働きやすい環境をつくろう』というのがそもそもの出発点でした」

 同社の従業員は約3分の2が女性だ。女性が長く働き続けられるためにはどうすればよいのか、模索する日々が始まった。

 まず力を入れたのが能力開発の支援だ。資格取得を支援する体制を整え、応募段階で未経験や無資格でも意欲ある人材を広く受け入れられるようにした。こうした取り組みを継続した結果、同社の離職率は現在8.2%まで改善。介護業界の離職率12.4%、民間介護事業者平均13.2%を下回る水準となっている(参考データはこちら)。


愛和の金愛美氏(経営管理部 主任)

 柔軟な勤務制度の設計にも取り組んだ。「正社員として働きたいが、この曜日のこの時間帯だけは子供の送迎のために早退したいと相談を受けたこともあります」と、同社の金愛美氏は語る。そういった場合でもパート社員としての雇用を提示するのではなく、正社員として働きながら必要な日に短時間勤務ができるよう、さまざまな制度から自分に合った勤務を選べる体制を整えた。

 特筆すべきは、管理職自らが短時間勤務を実践している点だ。上層部が率先して制度を活用することで、一般社員も気兼ねなく制度を利用できる風土が社内に根付いている。

 訪問入浴の現場で働く香取彩子氏も、こうした環境の変化を肌で感じているという。

 「子育てのタイミングに応じて、パート勤務や短時間勤務などの働き方の希望を細かく聞いてくれるので助かっています。子育て中の従業員が多いので子供が熱を出した際なども言い出しやすく、皆で協力し合える環境です。訪問入浴の仕事は肉体的に大変なこともありますが、それを加味してもとても働きやすい、やりがいのある仕事だと感じています」


愛和の香取彩子氏(訪問入浴事業部 葛飾営業所)

 こうした取り組みによって同社では80歳の従業員も働いているという。週4日働く人がいれば週1日だけ働く人もいるなど、個々の事情に合わせた多様な働き方が定着している。働きやすい環境づくりは経営の改善にもつながっている。

 「離職率が下がれば採用費をカットできます。削減した採用費を使って、従業員の給与や賞与を上げられました。当社は本当に人ありきの会社です。女性に限らず、いろいろな制限がある人が皆自分らしく働ける場所でないと、会社として生き残っていけないと考えています。多様な働き方ができることは、人材を確保する上でとても重要です」(堀江氏)

 誰もが自分らしく働き続けられる環境づくりが、サービスの向上と地域社会への貢献、そして持続可能な企業成長を実現させている。

女性活躍・人材定着を実現するための3つのポイント

 愛和の事例が示す通り、人材の確保や定着を実現するためには制度を整えるだけでなく、一人一人の状況やキャリアに向き合い職場環境を改善する必要がある。そうした職場づくりに向けて、企業が意識すべき3つのポイントを整理する。

ポイント1:自社の課題を整理する

 女性活躍と一口に言っても、課題は企業によって異なる。「女性管理職候補を育てたい」「仕事と育児・介護の両立がしやすい職場にしたい」「制度はあるが十分に活用されていない」など、まずは自社の課題の整理が第一歩となる。

 企業と働く女性のキャリアパートナーシップ支援事業は人材戦略や職場環境整備、女性従業員のキャリア形成など、さまざまなテーマに応じたプログラムを用意している。整理した課題と照らし合わせながら、自社に必要な支援を選んでほしい。

ポイント2:企業と女性従業員、双方が取り組む

 女性活躍を推進するためには、制度の整備だけでなく、従業員一人一人のキャリア形成支援も重要だ。企業と女性従業員の双方に用意された同事業のプログラムを通して組織全体で取り組むことで、女性活躍を人材戦略の一環として推進しやすくなる。

ポイント3:学んで終わりにせず、自社での実践につなげる

 どのような取り組みも、知識を得ただけで終わらせずに自社の制度やマネジメント、日々のコミュニケーションにどう落とし込むかが重要だ。同事業はセミナーや講演会だけでなく、ワークショップや交流会、専門家によるコンサルティング、メンタリングなども用意している。複数のプログラムを組み合わせて学ぶことで実践につなげられる。

企業向け×女性従業員向け 質の高い16の支援プログラムを無料で提供

 同事業が提供する16のプログラムは、経営者や管理職を対象とした「企業向け」の9プログラムと「女性従業員向け」の7プログラムで構成されている。組織づくりの推進と働く側の意識向上を両立させることで、企業全体で変革を推し進める。

 企業向けプログラムは、人的資本経営や人材戦略の考え方を学ぶセミナーをはじめ、女性活躍推進法に基づく行動計画の策定・運用、健康経営や就業規則などの職場環境づくりまで幅広く支援する。女性部下の成長意欲を引き出す関わり方や、仕事と育児・介護を両立させる部下のマネジメントを学ぶ管理職向けセミナーなど、現場の育成力を高めるカリキュラムも好評だ。

 女性従業員向けには、自律的なキャリア形成やリーダーシップの確立を目指すセミナーや、コミュニケーション術を学ぶスキル向上プログラムを用意。生理や更年期、妊娠・不妊、介護といった健康課題とキャリアを両立させる方法を学ぶヘルスリテラシー向上セミナーや、他社の社員との交流の場も提供している。


セミナー・講演会・交流会とコンサルティングを組み合わせて企業と働く女性を支援する「企業と働く女性のキャリアパートナーシップ支援事業」(提供:東京都)《クリックで拡大》

注目の2プログラムを紹介

 制度変更を一時的な取り組みで終わらせず、持続的な成果につなげるためには「女性活躍推進を単なる配慮ではなく、企業の経営・人材戦略として位置付けること」が重要だ。経営・人材戦略の軸を整える際の参考になる2つのプログラムを紹介する。

中小・中堅企業向け『人材・経営戦略についての講演会』

 人的資本経営が重視される昨今、女性を意思決定層に登用することが組織にどのような経営効果をもたらすのか、その本質を探る。SCSKの村松栄子氏とパーソルキャリアの喜多恭子氏が登壇し、経営層パイプラインの再設計や戦略的人材配置の実践例などを紹介する。登壇者によるクロストークセッションや質疑応答、参加者同士で情報交換ができる交流会も実施する。

イベント概要

テーマ:人的資本経営時代の人材戦略〜女性を意思決定層へ。登用がもたらす経営効果と実践手法〜

日 時:2026年10月20日(火)14:00〜16:00

参加費:無料

対 象:都内中小企業等の経営者(役員等) 

定 員:50人(定員を超える場合は抽選)

会 場:東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井カンファレンス セミナールーム


人材戦略策定セミナー

 女性活躍推進を「人材戦略」として捉える重要性と実践方法を全2回のセミナーを通して学ぶプログラム。第1回の講師は人的資源管理論や理論社会学が専門の、パーソル総合研究所の小林祐児氏。第2回はビジネスデータ分析や働き方改革を専門とする同社の砂川和泉氏が担当する。

イベント概要

テーマ:第1回 女性従業員の管理職登用を加速するために〜データで読み解く成功の勘所〜

    第2回 女性活躍推進に向けた企業の課題と取り組みにおける3つの観点

日 時:第1回 2026年10月30日(金)14:00〜16:00

    第2回 2026年11月26日(木)14:00〜16:00

参加費:無料

対 象:都内中小企業等の経営者(役員等)

定 員:各回20人(定員を超える場合は抽選)

会 場:はたらく女性スクエア

 女性活躍や人材定着の課題は企業によって異なる。まずは自社の課題や現状を整理した上で必要なプログラムを取り入れ、女性活躍推進や人材定着の取り組みに役立ててほしい。

本事業に関するお問い合わせ先
企業と働く女性のキャリアパートナーシップ支援事業事務局
電話番号:03-4567-6653
メールアドレス:career_partnership@os.persol-bd.co.jp

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提供:東京都
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年10月29日

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