なぜ、ドンキや歌舞伎町に外国人観光客が殺到するのか 日本でも取り組み進む「ナイトタイムエコノミー」(1/3 ページ)
日本でも徐々に環境が整備されつつある「ナイトタイムエコノミー」。欧米など海外と比較してまだ弱いとされるこの領域で、今後何が必要なのだろうか。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
インバウンド(訪日外国人観光客)の中には、夜の時間帯に観光するニーズも根強い。例えば、東京。新宿の歌舞伎町はインバウンドでにぎわっており、カップルや家族連れもいる。
彼らの目当ての一つは、ビルに掲げられた電飾の看板だ。日本人には何の変哲もないものだが「日本らしさ」を感じられる場所として人気のようだ。
健全な夜の経済活動を「ナイトタイムエコノミー(NTE)」という。行政や自治体は昨今、観光振興のためNTEの活性化に向けた取り組みに力を入れている。そこで今回は、観光を中心としたNTEの現状を解説していく。
インバウンドは夜にも観光する
夜、新宿駅東口から歌舞伎町方面に歩いてみると、外国人が多いことに気が付く。カップルや家族連れ、男性の集団客などさまざまだ。彼らの目当ては、光り輝く飲食店やカラオケ店などの看板である。一番街周辺を中心に、電飾の看板を見ながら練り歩いている。
ただの看板が人気なのは、インバウンドにとって「日本らしさ」を感じさせるものだからだ。
欧米では派手な看板が規制されていることが多く、繁華街で無秩序に存在する看板は、日本ならではの珍しいものとして認識されている。海外の映画やゲームでも、日本の繁華街を表現する際に看板がよく用いられる。
この他、2015年に完成した「ゴジラヘッド」も歌舞伎町の認知度を高めた。一番街から数分歩いた場所にあるゴールデン街も、小さい店舗が集中する風景が人気で、ツアー客が多い。
京都では清水寺に近い法観寺周辺が、夜も観光客でにぎわっている。居酒屋が並ぶ先斗町も練り歩くインバウンドが多い。祇園では電灯に照らされた古い町並みや舞妓を眺める客がひしめき、ナイトツアーも組まれている。ただし歌舞伎町とは異なり、祇園周辺は観光客以外の人通りは少ない。ナイトツアーも地域住民や経済界が主催するものではないため、観光公害の種となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

