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返礼品がないなら作ればいい 泉佐野市が「65億円」を集めてヤッホーブルーイングを呼び込めた理由:地域経済の底力(3/5 ページ)

長野県軽井沢町に本社を構えるヤッホーブルーイングが、ふるさと納税3.0を利用して大阪府泉佐野市に醸造所を構えている。その狙いは何なのか?

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「よなよなエール」の人気がつないだ縁

 ふるさと納税3.0の寄付は、工場や加工場といったハードへの投資が中心だ。市外から事業者を呼び込むため、企業誘致とも言える。その代表例がヤッホーブルーイングだった。

 同社と泉佐野市の縁は2017年ごろにさかのぼる。その頃、泉佐野市は大手メーカーの複数のビールを返礼品にしており、その中にヤッホーブルーイングの主力商品である「よなよなエール」も含まれていた。大阪醸造所のユニットディレクターで、当時ふるさと納税関連の窓口担当だった谷篤実氏は言う。

 「当社からお願いしたわけではなく、たまたま返礼品の一つとして入っていました。他社のビールと比べてとにかく人気だったそうです。インターネットでお酒を買うことに抵抗ない方に選ばれていたので、その点がふるさと納税ともマッチしたのだと思います」


ヤッホーブルーイング大阪醸造所での谷篤実氏(提供:ヤッホーブルーイング)

 ところが、2019年以降、返礼品は地場産品であることが条件になり、泉佐野市はよなよなエールを扱えなくなった。そこで市が持ちかけたのが、ふるさと納税3.0を活用したビール醸造所の建設だった。

 「大手ビールメーカーが泉佐野市にこの規模の工場を作るのは難しいと思いますが、当社には可能性があると、泉佐野市の担当者が感じてくれたのだと思います」(谷氏)

 2021年9月には、企業誘致と地域活性化に関する基本合意書を締結。それに合わせてスタートしたCFの目標額は10億円。ふるさと納税3.0として過去最大規模のプロジェクトだった。期限は2022年3月末で、10億円に達すれば同社が構想を具体化するという条件付きだった。結果、段階的に多額の寄付金を集め、2025年度までに累計65億円となった。

 同社にとっても、関西エリアの開拓は大きな目標だった。谷氏は次のように述べる。


よなよなビアライズの内部の様子(筆者撮影)

 「『返礼品を作るためのビール工場』のようにも見えてしまいますが、私たちはここを工場とは思っていません。関西でクラフトビールをもっと広めていくためのマーケティング拠点だと考えています。泉佐野市もりんくうタウン開発の起爆剤を探しており、その狙いと私たちのビール文化作りの文脈とが合わさったのです。その思いに対し、多くの方々の共感を得られたことが寄付につながったと感じています」

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