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主戦場が変わった――“AIによるAI開発”現実に 「新モデルが毎月登場」の裏側、KDDI傘下のELYZAトップに聞く(2/3 ページ)

毎月のようにフロンティアAIの新モデルが登場する裏に「再帰的自己改善」(RSI)という技術がある。“AIによるAI開発”の現在地について、ELYZAの曽根岡CEOが語る

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フロンティアAIの供給停止リスク、日本の備える道は2つ

 AI開発が高速化されたことで、性能が向上するスピードも上がっている。

 「AIが賢くなり過ぎているため、各国政府が輸出規制をするなどさまざまな介入が起きている。フロンティアAIの研究開発側も、安全性を危惧してAI開発の減速を呼び掛けている。(今後、フロンティアAIの中でも『Claude Mythos 5』やGPT-6 Atlasのような)上位レイヤーは一般公開されなくなる可能性も出てきている」(曽根岡氏)

 これを受け、日本が取るべき道は2つあると曽根岡氏は言う。一つは、日本として一からフロンティアAIを開発して「ソブリンAI」(主権AI)を確保することだ。外国が提供を止めても対応できる。「国も支援しており、国産の『基盤モデル』開発を掲げるノエトラ(東京都渋谷区)のような動きが出てきている」(曽根岡氏)

 もう一つは、無料かつ商用利用できるライセンスの下でAI開発企業が公開している「オープンモデル」を活用する道だ。曽根岡氏は「優秀なオープンモデルを基に、性能を再帰的に改善させる研究も重要だ」とし、既存のモデルをRSIによって高度化させられる体制や技術を備えておくことで、フロンティアAIの供給停止に備えられるとする。これが、ELYZA RSI Researchの設立目的だ。

AIがAIを開発する――RSIとは何なのか

 多段階の推論を行うフロンティアAIやAIエージェントは、AIモデルに当たる「基盤モデル」と、処理精度や安全性を担保する「ハーネス」、品質を測る「評価機構」という“部品”で構成されている。ハーネスは「複数のプロンプトを扱う機能」「外部システムと連携する機能」「出力内容のガードレール(制御)機能」などを組み込んだシステムだ。

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フロンティアAIやAIエージェントは基盤モデル、ハーネス、評価機構で構成されている(出所:ELYZA提供資料)

 フロンティアAIの開発現場では、AIの性能を評価し、評価結果を基に人間の「AIリサーチャー」(AI研究者)がAIを開発・改善するサイクルを回している。人間が担っている一部をAIエージェントに置き換えて、開発をスピードアップさせるのが、AIによるAI開発だ。RSIはその先にある。

 「従来のサイクルでは、AI開発にAIエージェントを取り入れているだけだった。RSIでは、開発を担うAIエージェント自身も賢くならなければならない。厳密には、基盤モデルやハーネス、評価機構などもAI自身が作って(完成したより高度なAIに)自分自身を置き換えるループが最終的な到達点だ」(曽根岡氏)

 曽根岡氏は、RSIは「どこまで自動化できているか」という実現度合いで測るのがよいとして、次の4段階を示す。

  1. Human-Only:人間の研究者がAI開発サイクルを回す
  2. Human-in-the-loop:人間とAIがコラボレーションして開発する
  3. Human-on-the-loop:AIが開発の軸になり、人間は監督や評価に徹する
  4. Closed loop:AIのみで改善ループを回す
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RSIの実現度合いを4段階で示した図(出所:ELYZA提供資料)

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