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なぜルネサスは、TSMCに勝てなかったのか “電子立国ニッポン”当時を知る日立のキーマンが語る(2/3 ページ)
業績が好調な半導体大手のTSMC。かつては日本も半導体が強い時期があった。なぜルネサスは勝てなかったのか。当時を知る日立製作所のキーマンが語った。
半導体業界がここまで成長した背景には「分業」の仕組みがある。半導体チップの設計、製造(前工程)、組み立て(後工程)などを専門企業が分担することで、高い品質のチップを効率的に生産できる。
GPU(画像処理半導体)で有名な米NVIDIAも、iPhone用のチップを自社開発する米Appleも、チップを設計した後はTSMCに生産を委託している。
「半導体業界と同じ分業を、自動車でやろうとすると全然できないですよね。トヨタ系のサプライヤーが、ホンダ系に行っても部品が使えません。私の見立てでは、クルマの世界ではBOPが人間の頭の中にあるため、融通が利かないからです」(無藤氏)
“少しの狂いも許されない精度”が求められる半導体で、分業体制を取れるのはなぜか。無藤氏は、半導体業界がBOPを外部に公開したことが画期的だったとして「TSMCが初めてBOPを『設計ルール』として公開しました。ルールに従ってNVIDIAが設計すれば、TSMCが製造できます」と説明する。
「ルネサスはBOPを公開しませんでした。ここが技術の核、競争軸だと考えていたため公開せず、この領域で負けたわけです」(無藤氏)
日立製作所と三菱電機の半導体部門が合併したルネサステクノロジに、NECエレクトロニクスが加わって誕生したのがルネサス エレクトロニクスだ。無藤氏は、ルネサスの動向や業界の変化を自身の肌で感じていたのだろう。
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