「大変遺憾」──阪大で約7.8万人の個人情報漏えいか 委託先NECの“契約外運用”が招いた事態
大阪大学で最大約7.8万人の個人情報が流出した恐れがある。委託先NECによる未報告の協力会社関与や契約外のデータ放置など、重大な管理不備が浮き彫りとなった。
大阪大学は10月21日、全学教育用電子計算機システムの運用を委託している日本電気(NEC)から、学生や教職員などの個人情報が第三者にダウンロードされたと報告を受けたと公表した。被害規模は最大7万7851人に上る可能性がある。
本件は、不正アクセスによる情報漏えいにとどまらず、委託先による「未報告の協力会社の関与」や「契約に基づかないデータ共有・保持」といった、委託元と委託先におけるガバナンス上の不備を浮き彫りにした。
7.8万人の個人情報流出 在学生や卒業生の学籍番号、アドレスなど
漏えいの可能性があるのは、卒業生5万9014人、在学生1万5035人、教職員3802人の計7万7851人分の個人情報だ。対象項目には、氏名、大阪大学個人ID、大学が付与したメールアドレス、学籍番号または職員番号、所属情報などが含まれるという。
同大学によると、9月26日に第三者によるファイルのダウンロードが確認され、10月9日にNECから同大学へ報告があった。21日の公表時点で、漏えい情報の不正利用や二次被害は確認されていないという。大学側は対象者に対し、フィッシングメールやなりすましメールへの注意を呼びかけている。
未報告が引き起こした事態に「大変遺憾」 問われる受託企業の責任
本件で注目したいのは、委託先であるNEC側の運用管理における契約違反が事故の要因となった点だ。漏えいをきっかけに、大学側が報告を受けていない協力会社が、業務の一部に関与していたことが発覚した。
さらにNECは、大学との契約に反して、当該協力会社との情報共有を目的に個人情報を含むファイルをクラウドストレージ上で共有していた。加えて、本来であれば作業終了後に削除すべきデータを、削除せず保持し続けた結果、第三者によるダウンロードを許す事態に至った。
大阪大学は発表文の中で「本学に報告されていない協力会社が本業務に関与していたこと、及びNECが本学との契約に基づかず個人情報を含むファイルを共有及び保持していたことを重大な問題であると認識しており、その結果として本学関係者の個人情報が漏えいしたことを大変遺憾に思っております」と表明。NEC側の契約外運用の実態を強く問題視している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
【一体何が?】21日夜に「緊急メンテナンス」続々 業務ツール、ソシャゲ、通販、自治体Webサイトなど
10月21日夜に「緊急メンテナンス」の実施を発表する企業が相次いでいる。対象サービスは、業種業界を問わない。いったい何が起きているのか。
ヤマト運輸、個人情報「531万件」流出 商品明細も漏えい、クレカやパスワードの流出はなし
ヤマト運輸は10月16日、不正アクセスにより「クロネコ代金後払いサービス」の顧客情報など約531万件が漏えいしたと発表した。
バーガーキング公式アプリ、約1118万件の情報漏えい クレカ番号「非保持」が被害拡大を防ぐ
バーガーキングを展開するビーケー・ジャパンは10月15日、公式アプリへの不正アクセスにより約1118万件の会員情報が漏えいしたと発表した。10月2日から7日にかけてシステムへの侵入を受け、氏名や電話番号などが流出。ただしクレジットカード情報は自社で保持しておらず、流出を免れた。同社は個人情報保護委員会への報告を済ませており、国内企業を狙うサイバー攻撃の新たな大規模被害事案となる。
ソースネクストで最大2252万件流出、ベネッセに次ぐ「歴代2位」 パスワードも流出か?
ソースネクストは10月15日、会員管理システムへの不正アクセスにより約2252万件の個人情報が流出したと発表した。APIが悪用され、氏名やパスワードなどが対象に含まれる。東京商工リサーチによると、2014年のベネッセ(約3504万件)に次ぐ歴代2位の規模だ。2026年の上場企業による100万件以上の流出は過去最悪ペース。事業継続を揺るがす異常事態に企業の防衛体制が問われている。

