バーガーキング公式アプリ、約1118万件の情報漏えい クレカ番号「非保持」が被害拡大を防ぐ
バーガーキングを展開するビーケー・ジャパンは10月15日、公式アプリへの不正アクセスにより約1118万件の会員情報が漏えいしたと発表した。10月2日から7日にかけてシステムへの侵入を受け、氏名や電話番号などが流出。ただしクレジットカード情報は自社で保持しておらず、流出を免れた。同社は個人情報保護委員会への報告を済ませており、国内企業を狙うサイバー攻撃の新たな大規模被害事案となる。
バーガーキングを展開する株式会社ビーケー・ジャパン(東京都千代田区)は10月15日、自社運営の「バーガーキング 公式アプリ」において、第三者による不正アクセスが発生し、約1118万件の会員情報が外部へ漏えいしたと発表した。
1118万件の大規模漏えい
同社が公開した資料によると、公式アプリの会員情報を管理するシステムに対し、10月2〜7日にかけて不正アクセスがあった。その後、社内調査を経た10月13日に漏えいの事実が判明したという。
漏えいしたと判明したのは、公式アプリの会員情報約1118万件。そこに含まれる情報は会員ID、メールアドレス、登録種別、都道府県、性別、生年月日、氏名、電話番号、モバイルオーダー履歴の有無、メールアドレス認証の有無など多岐にわたる。
クレカ非保持が防いだ二次被害
企業のリスク管理という観点で注目されるのは、被害の範囲だ。同社はクレジットカード番号について「当社で保持しておらず、漏えいしておりません」と明言している。ログインパスワードの漏えいも現時点では確認されていないという。
決済情報を自社サーバで非保持化する近年のセキュリティ標準が、被害の拡大(金融被害)を食い止めた形だ。同社によれば、現時点で本件に起因する不正利用などの二次被害は確認されていない。
相次ぐサイバー攻撃の標的に
ビーケー・ジャパンは不正アクセスの事実を把握後、当該通信元からのアクセスを遮断した。すでに対策本部を設置し、個人情報保護委員会への報告を実施済みだ。現在は外部専門機関と連携し、詳細な原因究明と恒久対策の実施を進めているという。
国内では10月に入り、ローソンやNewsPicks(ユーザベース)など、企業を標的としたシステム侵害や情報漏えいが連日のように発覚している。10月2日には、物語コーポレーションが運営する「焼肉きんぐ」公式アプリでも1000万件規模の情報漏えいが発生している。
情報漏えいは企業ブランドや事業継続に直結する重大インシデントであり、各社はセキュリティ監視体制の抜本的な見直しを迫られている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
アサヒ・アスクルを襲った「PC1台の死角」 日本HPが説くセキュリティ投資の真意
2025年後半、ランサムウエアによるサイバー攻撃が、アサヒグループホールディングスやアスクルを襲った。システム障害と業務停止は、PC1台のハッキングが企業の命運を揺るがす事実を、日本中に突きつけた。「エンドポイント」を、いかに死守すべきか。日本HPの岡戸伸樹社長は「セキュリティは経費ではなく投資だ」と断言する。
「アルカディア」不正アクセス、兵庫県内の自治体でも被害
自治体職員らに防災情報などを発信するサービスを手掛ける「アルカディア」(大阪府箕面市)が不正アクセスを受け、最大約313万件のメールアドレスを含む個人情報が漏洩(ろうえい)した可能性が出ている問題で、サービスを導入している県内各自治体からも被害報告が相次いだ。
「アサヒ・ニチレイの惨劇」はどう防げた? 米HP幹部が語る“ネット遮断AI”と日本攻略
アサヒビールやニチレイ、アスクルなど、日本企業を狙うサイバー攻撃が相次いでいる。米HPのマイケル・ボイルSVPに、日本市場における新たなセキュリティ戦略を聞いた。社員の意識向上を支援する「コンサル型営業」への変革や、クラウド非接続で情報漏えいを防ぐエッジAI搭載PC「HP IQ」の投入など、単なるハードウェア販売からの脱却を図る。
不正アクセス、9月末で600件に 専門家「スキルがない人でもAIで攻撃を自動化できる」
サイバーセキュリティー会社「トレンドマイクロ」(東京)によると、今年公表した日本の企業や自治体への不正アクセスなどの被害件数は9月末現在で600件に達し、昨年1年間の593件を上回った。同社シニアスペシャリストの高橋昌也氏は、「増加理由は分析中だが、特定の国や業種が狙われているわけではない」と解説する。
日本を守るには「国産AIが必須」──NEC社長、サイバーセキュリティ事業強化を熱弁
NECは、日本のデジタルインフラの安全性確保に向けて、サイバーセキュリティ事業を強化する。5月8日に開催したNEC サイバーセキュリティ事業説明会(住所非公表)で森田隆之CEOが発表した。
時価総額10兆円も視野 NEC社長に聞く「AIとセキュリティ」で目指す「次の5年」
NECは、自社の強みをいかにして社会課題に生かしていくのか。組織再編によって、何をどう変えていくのか。森田隆之社長に聞いた。

