コラム
なぜ、元・大企業の部長が「自席で地蔵」になるのか? 中小企業が陥りがちな“シニア採用”の落とし穴(3/4 ページ)
シニアの採用は活発化しているにもかかわらず、活躍できずに試用期間で終了してしまう事例が後を絶たない。どうすれば防げるのか?
すれ違いを生む「ルールの量」という壁
では、なぜこうしたすれ違いが起きるのか。大きな要因の1つは、大企業と中小企業での「ルールの量」の違いだ。
大企業では業務マニュアルがあり、業務フローがあり、権限規定がある。どの金額まで誰が決裁できるのか、どの順番で作業を進めるのか、服装はどうするのかまで細かく決まっている。前任者の資料を読み込み、マニュアル通りに進めればよい。
一方の中小企業では「この件、ざっくりまとめておいて」という指示が当たり前だ。マニュアルも権限規定もないことが多い。大企業出身者がここで「マニュアルはどこですか」と尋ね「そんなものはない」と言われた瞬間、何を基準に動けば良いのか分からなくなってしまう。
これは本人の能力の問題というより、30年間その環境で働いてきた結果だ。受け入れる側がこの前提を理解せずに「自由にやってください」と任せてしまうと動けなくなってしまう場合があるのだ。
なお、大企業出身でも、中小企業への出向経験がある人はうまくいきやすい傾向がある。一度ルールの少ない環境を経験しているため、ギャップに戸惑いにくいためである。
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