三井住友FGはなぜ、まだ「何が当たるか分からない」状況で「AI投資1000億円」に踏み切ったのか(2/3 ページ)
生成AIに1000億円を投じる三井住友FG。効率化を超えたビジネスモデル変革を見据え、CEOの中島達氏が語る失敗を恐れぬ組織づくりと、AI時代に残る人間の役割とは。
「3割バッターも7割は失敗」 まず打席に立つ
AIを使いこなすには、技術や予算だけでなく、従業員が挑戦しやすい環境も欠かせない。中島氏は、グループには環境変化を機会と捉え、新しいことに挑む文化があると説明する。社員が失敗を恐れないよう、経営層から繰り返しメッセージを発しているという。
「失敗しても構わないから、とにかく新しいことにチャレンジしようと口酸っぱく言っています。野球のバッターだって、3割打てれば首位打者ですよね。7割失敗してもいい。それぐらいのつもりで、どんどん新しいことをやってみようと言っています」
失敗を許容する姿勢は、言葉だけではなく、実際の人事にも反映させるという。挑戦して失敗した社員に再び機会を与え、場合によっては、努力を評価して昇進につなげる。そうした意志を目に見える形で示さなければ「チャレンジする企業風土は根付かない」と話す。
具体的な施策の一つが、生成AIを使う機会を増やす取り組みだ。グループ社員が利用できる生成AI環境を整えたほか、中島氏自身の過去の発言などを学習させ、本人の発想を模した「AI-CEO」も用意した。
AI-CEOは、社員がAIに触れるきっかけとして導入した。それまでAIを使ったことがなかった社員が試し、利用に慣れていく効果があったという。
ほかにも、企業営業における面談前の情報収集や提案資料の作成、為替などのトレーディング業務、顧客企業の意思決定を支援するサービス「CFO Agent」の提供、コールセンターの効率化など、AIの活用領域を広げている。三井住友カードのコールセンターでは、ソフトバンクと連携してAIを導入し、業務効率化につなげている。
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