コラム
» 2008年12月04日 10時32分 公開

「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」+D Style 最新シネマ情報

デル・トロ監督独特のイマジネーションに満ちたアメコミ映画第2弾「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」。機械仕掛けの人形兵士ゴールデン・アーミーは復活するのか!?

[本山由樹子,ITmedia]
photo (C) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

 ダーク・ファンタジー「パンズ・ラビリンス」(2006年)で高く評価されたギレルモ・デル・トロ監督によるアメコミ・シリーズ第2弾「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」が、いよいよ公開される。キャストはロン・パールマン、セルマ・ブレアら第1作「ヘルボーイ」の主要メンバーが再集結した。

 物語はヘルボーイの少年時代から始まる。トレヴァー・ブルーム教授が幼いヘルボーイに、はるか昔、人間と戦いを繰り広げたエルフ国の伝説を読み聞かせる。すると、その伝説が映像化され、機械仕掛けの人形兵士ゴールデン・アーミーが動き始める。

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 時は現代に移り、ヘルボーイはリズ、エイブたちと超常現象捜査防衛局BPRDのエージェントとして活動していた。そんなある日、ニューヨークのオークション会場が何者かに襲撃される。エルフ族の末裔(まつえい)であるヌアダ王子は、人類を抹殺しようと、3つのパーツに分割された王冠を集め、ゴールデン・アーミーをよみがえらせようとしていた。王子はオークション会場で王冠の1つ目のパーツを入手するが、2つ目は父のバロル王が、3つ目は双子の妹、ヌアラ王女が持っていた。

 事件を解明しようとブルックリン橋付近の地下世界トロール市場に侵入したヘルボーイたちは、そこで逃亡中のヌアラ王女と出会う。

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 もともとこの続編は2006年に全米公開予定だったが、2008年に延期された。その間にデル・トロ監督は「パンズ・ラビリンス」を発表し、数々の賞にノミネートされる。デル・トロ株急上昇後の公開は、本作にとって結果的に良かったといえる。

 真っ赤なヘルボーイは、折れた2本の角とチョンマゲスタイルで、葉巻と猫とチョコバーをこよなく愛する。念動発火能力を持つリズとは恋仲になるが、最近彼女のゴキゲンが悪く、ヘルボーイは手を焼いている。ヘルボーイの良き相棒、水棲人(すいせいじん)エイブとヌアラ王女との恋愛話は微笑ましい。

 今回、新キャラも登場する。ヘルボーイのお目付け役としてBPRDに送り込まれて来たヨハン・クラウスだ。彼は幽体離脱中に肉体を失った霊媒で、気密スーツを見にまとっている。まるでガス人間のようであるが、マジメな性格ゆえ、短気なヘルボーイとは度々衝突、その様子が面白い。ほかにも、ヘルボーイとエイブが酔っ払ってラブソングを口ずさむシーンなどコミカルで人間臭いシーンが多く、彼らにも人間と同じ心があることを気づかされる。

 歯の妖精や死の天使などCGや着ぐるみを駆使したクリーチャーの数々は、「パンズ・ラビリンス」の作風が色濃く反映され、誰にも真似できないデル・トロの独特のセンス、イマジネーションを感じさせる。

 人間から迫害され、人間のための戦いに疑問を持つヘルボーイ。自然破壊を繰り返す人類を忌み嫌うヌアダ王子。銃や剣を使ったアクションなどエンタ度もアップしたが、キャラクターにも深みが増し、あっという間の2時間。マイナー人間をオタク目線で、愛情たっぷりに描き切ったデル・トロに拍手。まさに彼の集大成ともいえる作品である。

ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

監督・脚本・ストーリー:ギルレモ・デル・トロ

出演:ロン・パールマン、セルマ・ブレア、ダグ・ジョーンズ

配給:東宝東和

1月9日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー



筆者プロフィール

本山由樹子

ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。


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