ラテンの歴史刻むウォッチブランド「クエルボ・イ・ソブリノス」:+D Style 時計探訪(2/2 ページ)
男心をくすぐる“時計の世界”にフォーカスした新連載“時計探訪”。今回は、100年以上の歴史を持つ“ラテン”の時計ブランド「クエルボ・イ・ソブリノス」の新作イベントを紹介しつつ、その歴史と魅力をリポートする。
クエルボ・イ・ソブリノス――静かに眠り続けたラテンの時間 125年の歴史
1882年、アルマンド・リオ・クエルボは、叔父ラモン・イ・クエルボの始めた時計宝飾商を継いで、ハバナの中でも一流ショップが集まるアベニダ・キンタ通りに「La Casa」(ラ・カーサ)という名の時計宝飾店をオープンした。後に店名を“クエルボとその甥”という意味の「クエルボ・イ・ソブリノス」(以下CYS)に変更。オリジナルデザインの時計をスイスのラ・ショー・ド・フォンで製造し、卓越した時計製造技術に、おおらかなラテンの精神を吹き込んだ。そして、ハバナでも有数の高級時計とジュエリーを扱うショップとして広く知られるようになる――。
1940年代、砂糖/葉巻の需要拡大によりのキューバはかつてない好景気に沸き、それとともにCYSも絶頂期を迎える。パテック・フィリップやロレックスといった一流時計メーカーと共同生産したショップウォッチも数多く誕生した。アーネスト・ヘミングウェイ、クラーク・ゲーブル、ウィンストン・チャーチル、そしてアルベルト・アインシュタインなど当時の著名人たちの多くが、クエルボ・イ・ソブリノスの顧客名簿にその名を連ねていることからも、その人気ぶりがうかがい知れる。
だが、その後、キューバ革命などの政情不安により、CYSは営業停止を余儀なくされる。
20世紀末、長い眠りから“発見”されたCYSは、2002年、現CEOのマルツィオ・ヴィラによって本格的時計ブランドとして復活。現在、スイス・ルガーノを拠点に、クエルボファミリーの職人たちよって受け継がれたムーブメントや、当時のスケッチなどをヒントに、かつてのモデルに独自のタッチを加え、新しいハバナテイストを表現するエレガントなモデルをリリースし、話題を集めている。
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