「50%のルールと50%の独創性」――シトロエン「C5」日本上陸:+D Style News
シトロエンのアッパーミドルモデル「C5」の新型が日本に上陸。独創性と販売競争力の両立を目指したという内外装のデザインは、ダイナミックさが増しつつも、よりエレガントに一新されている。
プジョー・シトロエン・ジャポンは8月27日、シトロエンの新型「C5」を発表した。セダンとワゴンを展開し、10月1日より販売開始する。価格は2リッターモデルのセダン「C5 2.0」が399万円、ワゴン「C5 ツアラー 2.0」が419万円、3リッターモデルのセダン「C5 3.0 エクスクルーシブ」が479万円、ワゴン「C5 ツアラー 3.0 エクスクルーシブ」が499万円。
2008年1月に欧州でデビューした新型「C5」。内外装のデザインは2007年9月のフランクフルトモーターショーで発表されたコンセプトカー「C5 エアスケープ」のテイストが盛り込まれ、ダイナミックさが増している。静粛性の向上や、安全装備/快適装備の拡充も図られており、「ファーストクラスの基準を満たす快適さを提供する」(ティエリー・ポワラ社長)。
最上級モデル「C6」では個性的なスタイリングが注目されたが、新型C5のエクステリアはエッジの効いた近未来的なフロントマスクなどのユニークな要素を盛り込みつつも、全体は“王道的”なプロポーションでまとめられている。
来日したシトロエン・スタイル・センターのマーク・ロイド氏の言葉から感じられるのは、新型C5がグローバルな販売競争力を持つデザインを目指していることだ。デザインチームは国際的なメンバーで構成され、国を越えたデザインの美しさを追求した上で「シトロエンとしての“形”を付け加えていった」(ロイド氏)という。アッパーミドルセダンのセグメントに求められるニーズからは外れずに、独創性も盛り込む――「50%のルールと50%の独創性」(ロイド氏)というバランスでデザインされた結果が、今回のエクステリアに表れている。
一方インテリアは有機的な曲線とエッジの効いたストレートラインが生かされ、エレガントで質感の高いものとなった。航空機の計器から着想を得たという3連メーターは、アナログとデジタルを組み合わせた近未来的な雰囲気を放つ。
シートは2リッターモデルにハーフレザー、3リッターモデルには全面レザーが採用され、さらに全モデルのフロントシートを、バックレスト部分の角度調節も可能なマルチパワーシートとしている。ステアリングには、ハンドル切っても中央部が動かない「センターフィックスステアリング」を採用し、この中央部にオーディオやクルーズコントロールを操作するボタン/ジョグダイヤルを装備、シトロエン独自のユーザビリティーを提供している。
2リッターモデルには143馬力(103kW)の直列4気筒エンジンを搭載し、トランスミッションは4速AT。3リッターモデルは215馬力(155kW)のV型6気筒エンジンと6速ATを組み合わせる。サスペンションには、シトロエンの象徴的な機構である油圧式の最新型「ハイドラクティブIII」が採用された。サスペンションの状態を電子制御でアクティブにコントロールするほか、車高の調節、スポーツモードとノーマルモードの切り替えも可能だ。
室内の静粛性に関しては、空力特性の改善に加え、シーリングによる気密性の向上、音を伝えにくいボディ構造などを取り入れ、さらにはミシュランと共同開発した専用タイヤを標準装備することでロードノイズも低減させているという。
そのほかにも、ABSや合計9個のエアバックをはじめ、バイキセノンのディレクショナルヘッドライト、急勾配での発進時に車がバックしてしまうのを防ぐ「ヒルスタートアシスタンス」、障害物との距離を感知してドライバーに知らせる「パーキングアシスタンス」、縦列駐車の際に十分なスペースがあるかを検知する「パーキングスペースセンサー」、エンジンオフで自動的にパーキングブレーキが作動する「オートマチックエレクトリックパーキングブレーキ」などの充実した標準装備の採用も、特筆すべきポイントだろう。
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