天井も走る未来のレースカー アウディ、「R25」コンセプト:+D Style News
強いダウンフォースで天井を走行、ワイヤレス充電ゾーンでパワー補給――ゲームやアニメの世界さながらの“2025年のレースカー”をアウディがイメージした。
アウディAGは、11月19日から開催されるロサンゼルスオートショーのデザインコンペティションイベント「デザインチャレンジモータースポーツ2025」に参加し、未来のレーシングカー「R25」のコンセプトを発表する。
架空の「2025年のレーシングカー」を各社がデザインする同コンペティションにおいて、アウディデザインセンターカリフォルニアのチームは、2025年の「アメリカン・ルマン・シリーズロサンゼルスラウンド」の世界と、それに参加する次世代レーシングカーをイメージした。
2025年の「アメリカン・ルマン・シリーズロサンゼルスラウンド」
サーキットには高速バンクやトンネルが設置され、強いダウンフォースを利用すれば「裏返し走行」もできる。トンネルと高いバンクの頂点部には、「WiTricity」と呼ばれるワイヤレス充電ゾーンが用意され、走行中に燃料補充が可能となっている。
サーキットで使用するエネルギーには、現地で生成した微細な“藻類”を活用。「発酵作用によって生み出される再生可能なバイオディーゼル燃料」と、「太陽光による生化学反応によって発生した水素を燃料電池に使って生み出される電力」を得ることができるとしている。
観客はグランドスタンドによる観戦だけでなく、レース参加車に設置されたカメラの映像をワイヤレス受信し、コックピットに自分が座っているような疑似体験ができる。さらに、自分が選んだ車両の動きや加速度を、フライトシミュレーターのように体感することも可能。
「R25」の特徴
R25のシャシーには、軽量・高剛性な「アウディスペースフレーム(ASF)」をさらに進化させた「アウディDSF(ダイナミックスペースフレーム)」が採用される。このシャシーは、ラピッドプロトタイピングにも似た画期的な生産技術によって製作されるという。
パワートレインは2種類が用意される。ひとつは、バイオ燃料を使う小型TDIエンジンと“ワイヤレスパワートランスファー技術”を利用して追い越し時に爆発的な加速を生む電気モーターとを組み合わせた「LMP1」。もうひとつは電気モーターのみを採用した「LMP-GC(グリーンチャレンジ)」。
走行状況に合わせて空力特性を最適化できる「アクティブマイクロコントロールサーフェイス」が採用されている。ドライバーの意志、もしくは自動システムによって、高速走行時には抵抗を少なく、コーナリング時や裏返し走行時には強いダウンフォースを発生させるといった調整が行われる。
車両の情報はドライバーのヘルメットにディスプレイされ、車両の状態は触感テクノロジーによってスーツを介してドライバーに伝わる。そのほかにも、前方の事故をドライバーとピットクルーに伝え、必要に応じて操作に介入する安全システムや、車載型HDカメラとモーションセンサーからのリアルタイムな情報発信といった技術を備えている。
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