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高速道路“1000円時代”に売れるのは?神尾寿の時事日想(2/2 ページ)

ETC搭載車を対象に、地方圏が休日1000円で乗り放題となる高速道路の大幅値下げがスタートした。景気対策の一環として始まった“高速道路1000円”は旅行需要だけでなく、さまざまなサービスに影響が出ているようだ。

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携帯トイレからタイヤまで波及効果は大きい!?

 カーナビやETCユニットなど直接的なモノやサービス以外にも、休日特別割引の影響が見え始めている。例えば、ロングドライブを快適にするためのさまざまなグッズだ。

 「渋滞に巻き込まれることを覚悟してか、携帯トイレや車載用の電子クーラーボックスの売れ行きがよくなっています。また、これはファミリー層に多いのですが、リアシート用のポータブルDVDプレーヤーなどを購入される方も増えている。ゴールデンウィーク前には、さらに販売増が見込めそうです」(大手カー用品店 担当者)

 好影響が見られるのは、これら「渋滞対策グッズ」だけにとどまらない。タイヤやブレーキ、オイルなど性能維持のための部品類や消耗品のセールスも好調だという。その理由は皮肉なことに「新車を買わず、今のクルマを長く乗る人が増えたから」(業界関係者)だ。これまでであれば買い換えを考えるくらい古いクルマでも、新車に買い換えず、ロングドライブに使う。そのため性能の維持や安全確保に必要な部品を、カー用品店で割安に交換したいというニーズが高まっているのだ。


ホンダ・HDDインターナビモデルの「VXH-093CVi」

 休日特別割引などETC大幅割引は、当初の狙いであった旅行需要の喚起だけでなく、さまざまな自動車関連ビジネスやサービスに影響を及ぼしている。ホンダやNAVITIMEのように利用環境の変化にいち早く対応すれば、自社の製品やサービスの訴求力を向上することもできる。ETC大幅割引の波及効果が広がる中で、その波をどれだけうまく自社のビジネスに繋げられるか。今年の注目分野の1つと言えるだろう。

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