ローカルとクラウドを軽快につなぐ橋――「Picasaウェブアルバム」:オンラインフォトストレージ探訪
グーグルの「Picasaウェブアルバム」は、画像管理に便利な機能が多く搭載されたオンラインフォトストレージ。動作の軽快さやスマートフォンなどへの対応も特徴だ。
グーグルの「Picasaウェブアルバム」は、画像管理に便利な機能が多く搭載されたオンラインフォトストレージだ。アルバム機能が充実しているのが特徴となっている。
画像も動画も対応、年5ドルでアップグレード
Picasaウェブアルバムはグーグルの提供するサービスであり、Gmailなどをすでに利用していれば、同じユーザー名とパスワードでログインできる。ほかのサービスと同様、利用は無料だ。
無料で利用できる容量は1Gバイト。容量を増やすことも可能で、20(5ドル)/80(20ドル)/200(50ドル)/400Gバイト(100ドル)、そして1(256ドル)/2(512ドル)/4(1024ドル)/8(2048ドル)/16Tバイト(4096ドル)と最大16Tバイトまで増やすことができる(カッコ内は年間料金)。いずれの場合でも、アップグレードすると無料分の1Gバイトがプラスされた容量になる。
1Gバイト | 無料 |
---|---|
20Gバイト追加 | 5ドル/年 |
80Gバイト追加 | 20ドル/年 |
200Gバイト追加 | 50ドル/年 |
400Gバイト追加 | 100ドル/年 |
1Tバイト追加 | 256ドル/年 |
2Tバイト追加 | 512ドル/年 |
4Tバイト追加 | 1024ドル/年 |
8Tバイト追加 | 2048ドル/年 |
16Tバイト追加 | 4096ドル/年 |
対応する画像形式はJPEGで、アップロードできる画像は1ファイルあたり20Mバイト以下で、JPEG以外の画像形式はアップロード時に変換される。動画にも対応し、3GP/AVI/ASF/MOV/WMV/MPG/MP4/M2T/MMV/M2TSの各動画ファイルを、1ファイル1Gバイトまでアップロードできる。アップロードした動画はFLV形式に変換される。ただし、動画のアップロードは後述するアプリケーション「Picasa」から行うことになる。
人の顔で探す顔認識機能
画像のアップロードにはWebブラウザのほか、Windows/Mac用アプリケーション「Picasa」、携帯電話からのEメール添付といった方法が用意されている。
Picasaは、軽快な動作と充実した画像編集機能を備え、RAWファイルを含む各種画像ファイル、動画ファイルを管理できる。画像を選択して「アップロード」ボタンを押すだけで、自動的にファイル変換とアップロードが行われる。複数画像やフォルダごとのアップロードも可能だ。「ウェブに同期」機能を使うと、指定したフォルダにある動画像をアップロードし、さらに編集を加えると自動的にアップロードし直してくれる。
アップロード時には、保存するアルバムの指定や画像サイズ、公開範囲の指定などが可能。閲覧はPCのほか、携帯電話、iPhoneやAndroidといったスマートフォンなど、幅広いデバイスに対して、専用のWebサイトが用意されているのはグーグルならではといえる。
画像アップロード時のオプションで、元のサイズで画像をアップロードするか、1600/1024/640ピクセルにリサイズするか選択できる。公開方法も選択可能。アップロード先は、既存のアルバムを選択するか、新規アルバムを作成してアップロードできる
アップロードされた画像は、「アルバム」単位で管理される。アルバムには誰でも閲覧できる「一般公開」、URLを知っている人だけが閲覧できる「限定公開」、さらにGoogleアカウントでのログインが必要な「閲覧するにはログインが必要」が用意されている。この場合、アルバムの所有者が「共有者リスト」で指定したGoogleアカウントを持っている人しか閲覧できないので、高いプライバシーレベルを確保できる。
アルバムだけでなく、画像単位での共有も可能で、その際にアルバムのほかの画像は閲覧できないようにすることもできる。ただし、「閲覧するにはログインが必要」に設定している場合は画像単位での共有はできない。
Picasaウェブアルバムではサムネイル表示、単独画像表示に加えてスライドショー再生もサポート。ブラウザの全画面表示機能を使った全画面スライドショーが楽しめる。画像のダウンロード機能では、「Picasaにダウンロード」を使って、アルバムの画像を1クリックでPicasaにダウンロードすることも可能。
EXIFに位置情報が記録されていれば、画像を撮影した場所を地図上に表示することもできる。画像に写っている顔を認識して、検索などを行える機能も用意されている。アルバムの「名前タグを追加」をクリックすると、そのアルバムの画像にある顔を解析して名前付けができる。単独画像表示中にも、顔を選択して名前付けが可能だ。この時、Gmailの連絡先に登録してある人の中から、名前を選択することもできる。
画像管理ソフトのPicasaにも同様の顔認識と名前付けの機能があり、Picasaで名前を設定した場合、アップロードすると自動的に名前が設定される。
気軽に、軽快に使えるフォトストレージ
Picasaウェブアルバムは、グーグルが開発するだけあって、シンプルなユーザインタフェースで動作は軽快。画像閲覧に十分な機能も備えており、さらにオンライン上での顔認識という先進的な機能も搭載している。さらにWindows/Mac用アプリケーションのPicasaが、アップローダにとどまらず画像管理/編集ソフトとしても優れているのも注目点として挙げられるだろう。
グーグルのGmailとアドレスを共有できるので、Gmailを常用しているユーザーにとって利便性は高い。また、Android搭載スマートフォンのユーザーであれば、Googleアカウントを登録することで、Picasaにアップロードした画像を端末上に自動でダウンロードさせることができる。
動画のアップロードはPicasaからしかできないが、同じグーグルのYouTubeへのアップロードにも対応しており、用途に応じて使い分けも可能だ。PC上で軽快な画像管理/編集ができ、そこからわずかなステップでWebアルバムと連携できるため、ローカルとクラウドでシームレスに作業ができるのが強みのサービスだ。
名称 | Picasaウェブアルバム |
---|---|
価格 | 無料/年額5ドル〜4096ドル |
容量 | 1Gバイト/20Gバイト〜16Tバイト |
対応フォーマット | 静止画:JPEG、動画:3GP/AVI/ASF/MOV/WMV/MPG/MP4/M2T/MMV/M2TS |
公開範囲設定 | 全員/限定/会員のみ |
専用アプリケーション | Windows用/Mac用、Android用 |
携帯/スマートフォン対応 | 閲覧/アップロード対応、スマートフォン専用サイトあり |
関連記事
- オンラインフォトストレージ探訪:写真も動画もなんでもこい、公私も問わない万能サービス「quanp」
リコーの「quanp」は最大100Gバイトまで利用できるオンラインストレージ。ファイル種別制限なし、SSL通信などでビジネスユースにも耐えるほか、内容が確認しやすい3Dビューやプリントサービスなど写真まわりの機能も充実している。 - オンラインフォトストレージ探訪:写真を“使う”人に最適な「フォト蔵」
ウノウの「フォト蔵」は保存点数無制限の写真SNS。SNSをうたうだけあって写真や動画を保存するだけではなく、コミュニケーションの手段として使いたい人に最適だ。 - 3分LifeHacking:用途別スタートページを考える――Google編
Webブラウザを開いたときに表示するスタートページ。今回は、Webの仕事術から切っても切れないGoogleの用途別スタートページを考えてみる。 - レビュー:撮る+公開=楽しい――サイバーショット「DSC-G3」
無線LANサイバーショット「DSC-G3」は、撮った写真をアップロードできるのがウリ。Webブラウザ搭載により、撮ってすぐにメールするなど、ケータイのような使い方もできるのだ。 - レビュー:発想の逆転、無線LAN内蔵SDカード「Eye-Fi」を味わう
デジカメで撮影した瞬間、画像を無線LANでPCやWebアルバムに取り込めたら――そんな快適さを味あわせてくれるのが「Eye-Fi」だ。 - Picasaウェブアルバムが刷新 顔認識によるタグ付け機能などを日本語化
Googleは、画像共有サービス「Picasaウェブアルバム」を刷新し、顔認識技術を用いた写真分類機能などを日本語化した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.